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2015年の1月と比較すると1000台以上少ない中古車輸出台数で始まった2016年のニュージーランド(以下、NZ)市場だが、2月の輸出台数は昨年とほぼ同量の台数まで回復してきた。現在、中古車輸出の市況が良くない原因は、先月の記事でもお伝えしたように「世界経済(特に中国経済)の先行き不安の影響」とそれに伴う「為替(円高)の影響」が挙げられる。ただ、リーマンショックのときにも見られたように、海外ではクルマは生活必需品であり、海外バイヤーの立場として、仕入の環境が良くない状況下でも、商売をする上で仕入れをしなければいけない時期は必ず来るため、日本からの中古車輸出台数は徐々に回復する傾向にあると見ることができる。
2016年3月からNZでは中古車の輸入に関して、新しい規制が導入され始めている。交通事故件数の減少やより高い安全性を求める目的から「横滑り防止装置」が一部のカテゴリーの車種の輸入にあたり必須となった。対象となっているのは「駆動方式が4WDのSUVとオフロード車」になる。この「横滑り防止装置」は段階的に輸入の際に必須となる対象車種が増えていき、2020年3月からは輸入される全ての中古車にこの装置の装備が必須となるルールが敷かれる。次に対象車種が増える時期は2018年3月で、排気量が2000cc以上の全ての車種で横滑り防止装置が輸入の際に必須となる。
NZのバイヤーが日本から中古車を仕入れる際は、インターネットで全国のオークション会場の出品票をチェックして車両の下見を行い、付き合いのある輸出業者にオークションで落札してもらって手数料を支払う形が多い。そのため、中古車輸出は行わないがオークションに車両を出品する企業としては、この横滑り防止装置の有無を出品票作成時のセールスポイントとして記載すると、特にNZバイヤーの目に止まり、良い値段が入ることが増えるのではないかと考える。横滑り防止装置は各自動車メーカーで呼び名が異なっているが、英語で総称として「ESC」と呼ばれるため、ESCと記載いただくとバイヤーが出品票をチェックしたときに分かり易くて良いかと思われる。
昨年の日本からの中古車輸入台数上位国の多くが、輸入台数を減らしている中、NZはやはり比較的安定しており、商売をするマーケットとして非常に魅力がある市場と再認識させられる。また、アフリカ等の発展途上国へ大量の中古車を輸出されている超大手輸出業者がNZマーケットにはそこまで大きく進出できていない点も、NZ向けビジネスに取り組むか否かを考える際のプラスの材料と捉えられる。当社では中古車の輸出経験がゼロの企業様の支援も行っており、企業様それぞれの特性や強みを生かしながら、新たなビジネスを生み、成果を出すまでお手伝いしている。
中古車輸出での取引が出会いのきっかけで、思いもしなかったビジネスを海外で展開する企業様もいるため、海外と繋がることでビジネスの可能性が広がることの面白さを感じることが、中古車輸出業の醍醐味の一つであると感じている。2016年2月度のNZで販売が好調だった車種は1位から順に次の通りとなる。
1位:ティーダ
2位:アクセラ
3位:スイフト
4位:デミオ
5位:フィット
6位:レガシィツーリングワゴン
7位:ウィッシュ
8位:アテンザ
9位:ゴルフ
10位:カローラ
11位:ヴィッツ
12位:MPV
13位:アウトランダー
14位:オーリス、
15位:ノート
16位:オデッセ、
17位:ティアナ
18位:イスト
19位:マークX
20位:CRーV
この販売上位20車種でNZ中古車小売マーケットシェアとして47.8%の比率となっている。日本国内の小売市場は、前回の消費増税時期の買替え需要の先食いや、可処分所得に余裕のない層の拡大の影響で、繁忙期のはずの1〜3月でも販売が厳しく、計画に対してマイナスの販売実績となった企業が多い。中古車販売に携わる事業者として、中古車業界での大手企業が本格的に輸出に進出し始める前に早め早めに行動することが、今後、この業界の中で生き残るために必要であり、輸出業はサバイバルの手段の一つに成りうる。
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