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前回、検査手順を組み立てるのに必要な『衝撃波及の原理原則』をご紹介いたしました。
この『衝撃は外板から骨格へ』をベースにどのような手順で車を確認していけば良いのか。今回は、その検査手順を具体的にご紹介します。
◆ヒントは外板にあり
事故により骨格部位が損傷する経路は、
①鋼板でできた外板部位から入力し、その内側の骨格部位へ波及する。
②樹脂製バンパーから入力し、その内側の骨格部位へ波及する。
大きくこの2つに区分することができます(真下からの突き上げによる損傷は、事故が要因とならないので今回除外)。この原理原則に基づいて検査手順を組み立てると図(推奨検査手順)のようになります。手順①で外板の修理跡や損傷の有無を確認します。損傷とは、へこみだけとは限らず、バンパーの衝撃で押されたことによる“ズレ”なども該当します。(画像①)
◆修理跡がないか(板金再塗装)
再塗装を伴う修理跡を確認する場合には、“塗装肌”を確認します。これは、新車製造における塗装方法と修理で用いられる方法には違いがある為、結果としてその塗装肌に違いが生じます。また塗装の膜厚も不均等になりがちなので、周囲の景色を映し込んだ際には波打って見えたりする場合があります。
◆修理跡がないか(交換歴)
交換歴を確認する場合には、まずその部位が車体と
【ボルト装着】
【溶接装着】
どちらの方法で組み付けられているかを確認します。
ボルト装着であれば、
【取付けボルトに工具をかけた跡がないか。】
溶接装着であれば、
【新車時のスポット溶接跡が残っているか。】
【ミグ溶接等の再溶接跡になっていないか。】
を確認します。
その他にも、
・パネルのフチに塗布されたシーラント
・下地色
・パネル本体と取付けヒンジ部との色調
など、複数のチェックポイントを観察して総合的に判断します。
◆外板のヒントを基に骨格へ(手順②)
外板に修理跡が見つかれば、強い衝撃を受けた疑いがあります。その疑いを強めた“目”で骨格部位を確認するようにしましょう。この外板と骨格を【リンクさせる】ことができるようになれば、オークション会場の検査員と同じ判断ができるようになります。
◆何がなんでも下側からの確認(手順③)
骨格部位の確認が完了したら最後はそのエリアの下側(下廻り)を確認します。実はオークション会場の検査員と比べて下取・買取査定時に、この確認ができていない方が多くいらっしゃいます。おそらく、手順①の外板状態から、確認を省略されていることかと思いますが、それは間違いです。特にフロントクロスメンバーや、リヤフロア等の損傷しやすい骨格部は、樹脂製バンパーによって保護されています。つまり手順①の鋼板製外板の確認結果と下側に位置するこれらの骨格を関連付けることはできません。このことからオークション会場の検査員は、たとえボンネットやフロントフェンダーに修理跡が無くても、必ずバンパーのダクトや下側からフロントクロスメンバーを確認するのです。
◆効率の良い検査手順を作りましょう
オークションの出品検査も皆様のような下取・買取査定も“無駄に時間を費やす”ことが許されない状況にあります。 どのようにすれば “短時間のチェックでも修復歴の見落としを防ぐことができるか。” そうお考えの方は、ぜひ今回ご紹介した検査手順を参考にしてみてください。
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