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1981年(昭和56年)に創業し、地域密着型営業を推進する老舗自動車整備工場の春田自動車(大阪市西成区・春田茂樹社長)。大きな業界課題でもある「事業承継」に成功した好事例としても、興味深い整備工場だ。少子高齢化や若者のクルマ離れなどを背景に、街の自動車整備工場では、後継者不在に悩む事業者も少なくはない。新社長へのバトンタッチをスムーズに行い、これまでの経営基盤を生かしながら、新社長が新たな領域でチャレンジする姿は、理想的な「事業承継」として、高い評価を受けている。
【工業地帯に立地、商用車整備を軸に幅広い展開】
同社が立地する大阪市西成区南津守のナニワ企業団地は主に金属加工業などの中小企業が集積し、昔ながらの小型トラック・バンなどの需要が高い地域。こうした環境下で、地域密着営業を展開してきた同社は、日常の点検入庫から重整備まで、幅広いニーズに対応する。こうした地域では「そもそも余剰人員も少なく、車両管理もままならないケースが多い。限られた時間を使って、管理車両のメンテナンスを行うことで、お客さんの商売を支えていきたい」(春田社長)とする。
【顧客目線から生まれた商用車向け出張メンテナンスサービス】
リース車両では一般的な出張メンテナンスサービスを自社顧客の商用車に特化して展開する。「ハードユーザーが多い一方、平日の入庫時間確保も難しいのが現状。土日または定休日を活用した出張メンテナンスを行うことで、顧客の負担を軽減できる」という。街のビジネスカーほど、保守点検ニーズが高く、整備工場の強みを生かした付加価値提供が可能となる。「常にトラブル無く、仕事に使ってもらうことが互いの信頼関係につながっている」とし、顧客からの絶対的な信頼のもとで、画一的なサービスではなく、使用頻度や走行距離に応じた入庫サイクルを決めているという。
【乗用車向けを中心に新規の整備需要を開拓】
整備工場としての長年の実績と最新鋭のテスターの活用などで幅広いニーズに対応する。最近では隣接地に工場を増設するため、物件を確保したばかり。リフト増設や完成検査場の新設などの事業拡大を目指す。地域密着型営業で車販や整備、保険、レンタカーなど幅広い事業に対応するとともに、「GooPit(グーピット)」からの新規客送客も増加傾向にあり、パーツの持ち込み取り付けや車検などで着実に入庫を拡大する。「作業実績」をグーピット上にUPし始めた今夏頃から目に見えて入庫依頼や問い合わせが増え始めたという。
【女性整備士も活躍】
今年5月から女性整備士が1人加わった。「体力や筋力などの関係で男性と同等の仕事を求めることは出来ないが、女性の強みを生かしながら、しっかりと育成していきたい」(春田社長)とし、女性の活用にも積極的姿勢を示す。
【異業種からのヒント】
春田茂樹社長は2007年に誠一会長から社長を引き継ぎ、安定した事業基盤を生かした経営を推進する一方、大阪産業創造館が主宰する「なにわあきんど塾」の塾生でもある。広く異業種の経営者と交流することで、さまざまな価値観に触れる機会を大切にし、将来の経営ビジョンを策定するヒントにしている。
【スムーズな事業承継】
誠一会長からバトンを受けた茂樹氏が新社長に就任し丸8年が経過した。当時34歳の若さで就任した茂樹社長だったが、「父親がしっかりと実業を任せてくれたからこそ、新しいやり方にも挑戦できた」と感謝する。「ベースがあってこその進化」(春田社長)とするように、事業承継をスムーズに行う環境がそこにはあった。
≪店舗情報≫
会社名:春田自動車
住所:大阪市西成区南津守5‐9‐27
電話:06-6659-2215
代表者:春田茂樹社長
創業:1981年11月
工場種別:近畿運輸局認証工場
従業員数:6人
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