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現場に一番近い自工会会長でありたい

企業・団体 2018年05月25日
豊田会長就任挨拶と質疑応答
会社名:日本自動車工業会
豊田会長

豊田会長

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 日本自動車工業会(自工会)は5月17日、2018年度定時総会および理事会において、新会長にトヨタ自動車・豊田章男社長を選任した。また、翌日に豊田会長は、共同記者会見を開いた。

 以下は、会長就任時の挨拶と、翌日に行われた共同記者会見の質疑応答の一部抜粋したもの。

 豊田会長は会長就任挨拶にあたり「100年に一度の大変革の時代と言われる中、身の引き締まる思い」と述べ、日本の自動車産業には2つの特徴がある。

 1つ目は、日本には品質に厳しいお客様が多くいる。自動車はBtoCの産業であり、日本メーカーの品質・技術力は日本のお客様から教えていただいたものに他ならない。日本のお客様が車・バイクから離れることは日本企業である我々の競争力を失うこと。お客様にとって一番良いやり方は何かを考えて進めていくことが必要。

 2つ目は、自動車は裾野の広い産業であり、多くの現場がある。二輪や商用車を含め、自動車産業には素材や部品、物流など、多くの産業が集積している。改めて数値で述べると国内の雇用は540万人、全産業の約1割、輸出金額は16兆円、製造業の約2割、研究開発費・設備投資額は合計で6兆円、製造業の2割を占める。自動車産業はお客様や現場に近い方だからこそ、自動車工業会の会長に現役の社長が就任することが多かったのだと思う。私自身トヨタ自動車の社長を務めながら、日本のために少しでもお役に立ちたいという思いで、今回会長職を全うしたいと考えている。

 世の中の声に耳を傾けると自動車産業は、今後は安泰とは言えないだろうという声が聞こえてくる。自動車メーカーのみならず、幾つかの産業で品質管理を巡る不正が発覚し、世界有数の技術力を誇るものづくり大国日本の根底が崩れかけているのかもしれない。また、自動車産業を取り巻く環境は、電動化・自動化、第4次産業革命と呼ばれるIoTやAIなどの技術進展により、異業種も巻き込んだ100年に一度と言われる変革期を迎えている。さらに日本では近い将来、環境や渋滞、事故などの問題が都市化に伴い一層深刻化する恐れがある。世界経済の牽引役の不在、保護主義の進展など為替や輸出に関する不透明さも増している。

 モビリティ社会が大きく変わっていく中で、自動車産業は存在感を示せるか、次の100年も車・バイクはモビリティの主役でいられるのか、ライバルの競争のルールも変わってきており、まさに未知の世界で生きるか死ぬかの戦いが始まっているのだと思う。こうした変化の厳しい時代だからこそ、常に原点に立ち戻り、お客様視点と現場に寄り添う視点を持って、自工会加盟の全14社、オールジャパンでこの難局を乗り越えていきたい。私自身も私らしく現場に一番近い自工会会長でありたいと思う。

 さて、日本自動車工業会は言うまでもなく、日本で生まれ、日本で育てていただいた産業である。日本のお客様に、これからも車・バイクを愛し続けていただくことが、国内の生産台数を支えることに繋がる。一定の国内生産台数があるからこそ、我々は日本で様々な先進的なものづくりの挑戦を続けることができる。国内のマーケットの活性化に向けて、日本の特徴を念頭にこだわっていきたいことが2つある。

 1つ目はお客様にとって、車・バイクを購入しやすく保有しやすい環境をつくること。そのためには、我々メーカーが率先して魅力ある商品の提供に取り組むことはもちろんだが、税金・保険代・駐車場代・ガソリン代、車・バイクを保有する上では、多くの費用がかかってくる。シェアリングやカーリース、レンタカーなど保有の形態、乗り方の選択肢も増えている。お客様にとっては、何が最適なのか、これまでの常識にとらわれず、一つひとつチャレンジを重ねていくことが、お客様と車・バイクとの接点を増やすことに繋がっていく。その結果として、代替のタイミングを早めることにも繋がる。日本には4輪だけでも8000万台に近い保有がある。この特徴を活かせられれば、マーケットの活性化は、まだまだ可能と考えている。本年は自動車税制改正の論議についても大きな山場を迎えるが、複雑過重な自動車関係諸税に終止符を打ち、制度の簡素化、お客様の負担軽減に向けて取り組んでいきたい。

 もう1つは、現場力の再徹底を通じて、ものづくりの信頼回復に努めること。生産現場での擦り合わせや改善、匠の技、現場が問題や課題を発見し、部門を超えた連携協力を惜しまず、ものづくりのプロセスの中でイノベーションを起こし、現場での実践を通じた芸の積み重ねこそ、まさに日本の強み。自動運転やAIなど新しい分野の技術を実用化に落とし込み、これからのステージにおいては、この日本の現場力と言う強みが、最も活きてくると考えている。新しい分野での取り組みであるが故に、課題も出てくると思うが、何かあれば決して焦らず、一度立ち止まる。そして現地現物で、しっかりと信用を追求していくことが、日本ブランドの信頼回復に繋がっていくと考えている。また、今後は、海外からの労働者も増え、職場の多様化も進むと思う。だからこそ、現場力、現場での人づくりという日本の強みを先輩方から継承し、大事に育みながら、次の世代に伝えていくことが重要と感じている。

 日本自動車工業会のメンバー一社一社が、それぞれの「会社のらしさ」、「ブランドのらしさ」とは何かを突き詰め、磨きをかけていければ、「日本らしさ」という魅力の向上、ひいては日本全体の競争力の底上げになると信じている。

以下、共同記者会見の質疑応答より一部抜粋
Q:モビリティ社会の中でシェアリング等のサービスが増えると販売台数に影響があると思うが、自工会はどのような役割を果たしていきたいか。 

豊田会長:車は保有から使用の選択肢が広がり、車の使い方も変わってきている。ただ、使い方は変われど、車というものがモビリティの中心であるということ、そして車というものが世の中に必要なものということには拘っていきたい。なぜ保有から使用になってきたかを考えると、やはり保有に掛かるコストが大変高いものになってきている。自動車各社も先端技術、安全技術等を入れ込むことで、コストアップをしていることは現実だが、それにも増して、車体課税を中心に、保険、駐車場等、様々な形で「持つ」ということに対して、大変なコストアップになっているという現状がある。所有しやすい環境づくりを自工会のリーダーシップを持って取り組んでいきたい。

Q:来年の消費税率アップに伴い、取得税の廃止、燃費課税の導入が決まっているが、改めて自工会としての自動車税への要望は。

豊田会長:税制については、まず世界で一番高い税金を払っている国という認識を持っていただきたい。車体課税の減税等、働きかけをすると必ず出てくるのが、車体課税VS地方財源。車対地方財源の対立軸で議論されるのが非常に残念。是非とも車ユーザーの負担は世界で一番高いという認識を持っていただきたい。日本の新車は一時、700万台を超えた市場から、現在は大きく減少しているが、保有台数で見れば8000万台強ある。現在のあまりに高い保有コストで、保有期間も延びている。この保有期間をもう少し短くしていくように尽力することで、保有期間が回転し始めれば日本の市場も非常にコンペティティブになり、1000万台規模の生産もできる。今後、為替がどう推移するかわからない中で、ある程度の国内需要、国内生産というものが、私共の経営を支える糧となる。
(齊藤寛英)

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