『2017年中古車輸出の展望』をメインテーマに開催 - Goo-net自動車流通

2017年(平成29年)4月25日 [火曜日] 先勝 |  サイトマップ サイトマップ

『2017年中古車輸出の展望』をメインテーマに開催

企業・団体 2017年04月12日
JAMVEA組合員向け定例講習会に外部講師としてソウイング中尾氏を招き開催
会社名:JAMVEA(日本中古車輸出業協同組合)
講演する中尾社長

講演する中尾社長

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 JAMVEA(日本中古車輸出業協同組合 佐藤博理事長)は2月15日、組合員を対象に定例で開催している講習会を開催した。今回の開催では、外部講師として、ソウイング社の中尾聡氏が招かれ、『2017年中古車輸出の展望』、また、サブタイトルとして『現状の新車市場を俯瞰し、これからの中古車輸出の在り方を考える』とのテーマで約2時間にわたって講演した。
 会場は東京駅周辺の東京八重洲ホールの中会議室が設けられたが、収容人数一杯の70名もの受講者が埋め尽くし、仕向け国の最新情報や中古車輸出の今後について、熱心に聞き入っていた。
 開催の冒頭、藁科吉晴副理事長から、昨年の概況と今年に対する意気込みが語られ、続いて、前日にスリランカから帰国したばかりのラマヤマ・ジャガッド理事より、スリランカの最新情報について報告があった。

【新車販売の動向を俯瞰し、2020年秋までに抜本的な改革を】
 講習会では、まず輸出される中古車の多くは、新車販売時の代替車であることから、発生源である新車販売の動向を注視しておく必要があるとし、これまでの動向と今後を予想した。新車販売は1990年の777万をピークに緩やかな右肩下がりで推移しているが、別表❶に示す通り、直近10年間はリーマンショック、東日本大震災、消費増税の影響を受け、踊り場の状況にあるという。その中でも、第一次、第二次エコカー減税や増税前の駆け込み需要により、山(販売増)と谷(販売減)が生じている。今年は7年前の減税&補助金、5年前の減税効果によって、販売された車両が、それぞれ車検を迎えるため、代替需要が高まる山の年で、中古車の発生量は拡大し、輸出にとっても追い風であるとのこと。その裏付けの一つとして、今年に入りメーカー各社は新型車攻勢をかけているが、これはこのようなマーケットを見越している点を挙げた。
 一方、今後の動向として、17年通年では期待を込め520万台まで回復するとしたが、18年はこれと言った要素が見当たらず、また谷の年となるので500万台まで減少するとしている。今の予定では消費増税が19年10月なので、19年は駆け込み需要が期待でき、また前回の増税で購入した車両が5年車検を迎える山の年もあいまって550万台にまで拡大するであろうと大胆に予想。増税後の10月以降は多少反動があると思うが、翌年にオリンピックを控え、前回のような状況にはならないのでは。しかし、20年秋以降は一転し氷河期となり壮絶な淘汰の時代に突入するであろう。従って、それまでの4年間で各社が来たる氷河期を乗り切るだけの体力強化は勿論のこと、新たな販売チャネルの拡大(仕向け国の拡大等)や差別化戦略を強化しなければならない。その結果によっては、このレッドオーシャンから撤退し、新たなブルーオーシャンを追い求めるといったことも迫られるかもしれないと語った。

【輸出する中古車の品質低下と車種構成の変化に備えて】
 さらに、発生する中古車の高齢化にも言及した。日本が世界最大の中古車輸出国になった背景には高年式で良質な車両を提供してきたからだが、近年は別表➋のように平均車齢年数、平均使用年数、代替サイクルがそれぞれ長期化し、以前と比較すると品質が低下している。この対応としては、海外のバイヤーが安心して購入できるよう、より品質の透明化、AA会場の検査に加え、自社での再検査の実施や、費用対効果の問題もあるが、輸出であっても何らかの保証制度を付帯させるなどの工夫が必要だとしている。
 一方、車種構成にも大きな変化が生じていることも指摘した。98年にプリウスが誕生して以降、ハイブリッド(HV)車のシェアが年々拡大、15年時点で新車販売に占める割合は20%近くまで達している。さらに、輸出には不人気な軽自動車についても、一時は40%を超えるなど、両車種で市場の6割、これにコンパクトカーまで加えると市場の8割はこの手の車両が占有している。逆にこれまで輸出で人気のあったスポーツカー、高級車、ディーゼル車などは減少の一途。そういう傾向の中では、これまでのような待ちの姿勢からドラスティックに攻めに転じていかなければならないと指摘。具体的には、未だ“バッテリー問題”からHV車を受け入れていない仕向け国に対しHV車を、また、室内スペースが狭いなど敬遠されていた軽自動車についても、室内スペースは拡充し、機能性、デザイン性も年々高まりを見せ、輸出に十分値する車両になっているので、積極的に売り込みを掛けるべきだと語った。
 さらに踏み込んで、今、自動車メーカーの開発の概念が大きく変化いているという。1世紀以上に渡って、自動車は人が運転することを前提に開発されてきたが、今後はIT産業と連携し、人が運転しなくてもよい完全自動運転技術の開発に変化している。これは想定以上のスピードで、各メーカーとも20年~22年までには、ドライバーに状態監視が不要な「レベル3」の量販体制を目標にしている。そうなると必然的に中古車輸出の主流も自動運転車となり、極端な言い方をすれば、まったく異なる商品を扱うことになる。これは決して遠い未来の話ではなく、近い将来に直面する問題であり、今からそれに備えておく必要があると呼び掛け、前半を締めた。

【16年中古車輸出の概況】
 後半では16年の中古車輸出の概況と17年の展望について語った。昨年は、年明け1月4日に上海株が暴落したチャイナショックに始まり、6月の英国ユーロ離脱などの影響を受け、米国大統領選挙まで円高が進んだこと、また資源安による新興国の低迷が続いたことなどから、前年比5.3%減の1,187,710台となり、2年連続で前年割れとなったとし、仕向け国数は前年から1ケ国増え178ケ国となったが、過去最高値はUAEとフィリピンの2ケ国とこれまでにない低水準であったと補足した。

 続いて、仕向け国ランキングの上位国から順に各国の概況について解説した。まず、7年ぶりにミャンマーを抜いて首位に返り咲いたUAEについては、近年DUCAMZ(自動車フリーゾーン)に続き、トラック及び重機を再輸出するHETZや各種中古部品を取り扱うドバイ自動車部品シティが充実していて、中近東はもとよりアフリカ、中央アジア、欧州からもバイヤーが増え続け「世界一の業販センター」としての効果を遺憾なく発揮した形だと述べた。
 トップの座から陥落したミャンマーは、新政権が発足した4月1日以降、フリーパーミット車に必要な車庫証明の発給が停止されたことで、対象車両の約2万台が輸入できなくなったことが影響したとし、ただ、年末に立て続けて発表された輸入規制により12月に駆け込み需要が発生、前年比で42%増の11,605台が輸入され、わずかな差でニュージーランドを差し切って2位となったのは想定外だったとのこと。
 3位となったNZは、為替の影響や3月からのESC規制(横滑り防止装置の装着義務付け)で前半戦は苦戦を強いられたが、秋からリーマンショック以前に中古車を購入したユーザーを中心に、15年7月から自動車を維持していく上で課される税金REGOの引き下げが継続されていることもあって、経年車の代替が進み輸入を押し上げたとした。また同国はHV車など環境対応車の輸入に積極的だが、最近、EV車の日産リーフも密かな人気を呼んでいるとの情報も加えた。
 4位以降については
・チリ、南アフリカ共和国、ジョージアの再輸出国は中継としての機能を発揮し、ミャンマー、ケニア、スリランカなどの減少国の分を吸収して前年をそれぞれ大きく上回った。
・近年、目を見張る経済成長を遂げたケニアをはじめとする東アフリカ勢だが、昨年は軒並み減少した。とくに非資源国であるケニア、タンザニア、モザンビークと言った農業国までもが、資源安によって、アフリカ全体に対する援助や民間投資などのパフォーマンスが低下したことにより経済が低迷、減少させる結果となった。しかし資源安も底打ち感があり、回復の兆しは見えている。
・13年に第三次シャリフ政権がスタートして以来、環境対応車を積極的に輸入してきたパキスタンは4年連続で増加した。一方、同じ南アジアでイギリス連邦加盟国のスリランカは、やはり近年環境対応車を積極的輸入し台数的にも同規模で推移してきたが、16年は輸入規制を2回実施し、大きく減少させ明暗が分かれた形。
・低迷が長期化していたロシアは、11月のOPECで減産が合意されて以降、年初WTI価格が30米ドルを割っていたものが50米ドル前半まで持ち直し、またウクライナ危機を巡る対露制裁も打開に向け動き出したこともあって、後半は回復傾向に入っている。12月単月では前年比46.1%の増加となった。
・フィリピンはスービックフリーゾーンへの商業車の輸出が拡大し、過去最高値を記録、バングラデシュは1500CC以下の車両の安定した需要により二桁伸長、モンゴルはプリウスを中心にHV車の手堅い需要があった。シンガポールは引き続き輸入総量規制が緩和していることに加え、HV車に対する補助金が支給されたことで大幅な増加。ジャマイカは中国支援による道路などのインフラ整備が活発で大型ダンプなどの商業車が拡大。フィジーにはHV車が大量に輸出された。
・トリニダード・ドバコは新たにパーミット制が導入されたことで、大幅な減少。スリナムは主要輸出品目ボーキサイトの相場暴落で自国通貨の価値が低下し経済が低迷して大幅な減少につながった。
以上のような主要な仕向け国に関し説明した。

[17年中古車輸出の展望]
 次に17年の展望に関しては、国内での中古車発生量の拡大が見込め、為替も基本円安基調で、また、原油に代表される資源安も底を打ち、世界経済は緩やかに上向いているろことから、3年ぶりに前年を上回り120万台の回復が見込まれるとした。
 続いて各国の展望として、まず今年もトップが見込めるUAEについては、再輸出国の絶対数が圧倒的に多く、またDUCAMZ周辺の機能性、利便性が年々充実していることから、2年連続でトップを維持するのは固い。但し、為替の安定と資源相場の回復から、これまで低迷していた国が上向く可能性があり、その場合、多少の影響は考えられる。ちなみに近年トップにあったミャンマーは新たな輸入規制によりダメージは甚大だが、積載量1㌧以上のトラックや11年~14年の右ハンドル車については、今年も引き続き輸入でき、台数では5万台、ランキングではトップ10内は維持できるだろうと語った。
 次に続くのはNZとのこと。好調な経済を背景に経年車の代替需要がさらに加速し、また18年からESC規制が2001CC以上の車両すべてが対象になることから、後半からこの手の車両の駆け込み需要が高まると予想され、トップのUAEにかなり迫る台数になるのではないかとのこと。
それ以降の予想が難しいのが17年であると前置きした上で、その他の上位注目国として
・3位には中継国で安定しているチリが入りそうだ。その後はさらに混沌としている。ケニアについては、回復が見込まれているものの、8月に大統領選を控え、5月~8月までの期間は輸入が抑え目になるとの見方がある。パキスタンはこれまでの推移でいけば確実にランクアップするが、同国はこれまでの経緯で言うと、そろそろ自動車メーカーのプレッシャーが入り、輸入規制が導入される可能性があるので注意しておく必要がある。
・ロシアは14年3月のクリミア併合に端を発した各国の経済制裁によってロシア経済が低迷、自国通貨ルーブルの弱体化によって、輸出台数を大幅に減少させた。低迷期間約2年半で代替を控えていた極東のユーザーが昨年後半から動き出しているので、今年は原油価格、ルーブルの動向にもよるが、大いに期待できる。また日露経済協力の今後の展開によっては、サハリン州への需要の高まりも期待でき、すでに州都ユジノサハリンスクへの輸出も増えているとのこと。(一部小樽港で止められているとの情報もあるので要注意)
・特に注意国としては、ジョージア。同国は中継国だが不安定さが否めない。一昨年もガザフスタンへの再輸出が止まって大きく減少した。これまで輸入されていたポチ港で右ハンドル車の輸入を禁止するとの情報が入っている。ちなみにバツニ港は従来通り輸入できる。あとシンガポールも要注意でHV車への補助金が終了する4月末をめどに輸入総量規制を再び強化しそうだ。

 以上のように説明し、今年はかなり高い確率で上向くと期待されるものの、規制を緩和する国、強化する国、いずれも例年になく多く発生しそうなので、その手の情報には十分留意していただきたいと呼び掛けた。

【中古車輸出の将来的展望と課題】
 最後に今後の中古車輸出の展望と課題について述べた。前半で述べたように、使用年数や代替サイクルの長期化によって、発生する中古車の品質は年々低下しているが、とは言え、日本で生産され、日本で使用されていた中古車は、世界的に見て十分競争力はあることから、今後もしばらくは成長が見込めるマーケットであるとした上で、この時期にしっかりと戦略的構想を構築しておく必要があるとした。
 日本の中古車輸出は半世紀以上もの歴史があり、そこには中古車輸出に関するノウハウが凝縮されている。これまでは日本を起点としてきたが、これを他国で応用することも構想を構築する上での一つの考え方ではないかと提起した。具体的には、近年、新車販売が飛躍的な拡大を遂げている中国では、将来的に中古車を海外に輸出しなければ、新車販売に影響が生じる時期を迎える。実際に日本車メーカー左ハンドル車の宝庫である台湾では、国内の保有台数が飽和状態となり、台湾経済を支えている新車販売に陰りがみえはじめたこともあり、16年1月から、所有車を輸出するか、解体することを前提に新車を購入する場合、日本円で15万円程度の補助金を支給する制度をスタートさせるなど、輸出を促進している。新興国を中心にこのような国は今後拡大すると予想される。
 また、一方では韓国の中古車輸出も検討する価値があると言う。一時的な国民感情や品質の低さは否めないところはあるが、隣国韓国は日本、米国に次ぐ、世界第三位の中古車輸出大国で、地理的条件から航路を共有でき、また価格の安さや左ハンドル車というメリットはある。例えば、今後、右ハンドル車の輸入が規制されるミャンマーの取引先に対し、新たに韓国車を供給するルートを確保することも一考に値するのではないかと語った。
このような提案は、かなり的外れとも思われるかもしれないが、今後国内マーケットの縮小は避けられず、発生する中古車の絶対数が減少する以上、こういうドラスティックな発想を持つことも必要ではないだろうかと語り、講演を締めくくった。

【ロシア向け中古車へのSOSスイッチ(緊急連絡釦)取り付け規制について】
 講演終了後、中尾講師を含め、理事や参加した組合員全員で情報交換会が執り行われた。その席上、組合員より、現在ロシアのウラジオストック港で日本から輸出した中古車が通関できずに止まっているとの情報が寄せられた。この案件については、塩田豊専務理事が至急関係各所に問い合わせをし、内容によっては、経済産業省貿易交渉課を通じて、ロシア側に抗議を申し入れることも検討するとした。
 後日、JAMVEA側が組合員に発表した調査結果によると、ロシアでは昨年から新車に対して“SOSスイッチ(緊急連絡釦)”の取り付けが義務付けられ、それを輸入される中古車にも適用させるか否かを審議しているとのことで、一時的にウラジオストック港の通関が先走りしたとのことであった。現在では従来通り通関されているが、今後義務付けられる可能性が高いので注意しておく必要があると示している。

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