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「ボンネットを開けてみたら、エンジンルームがカバーで覆われて困ってしまった」。査定現場ではよくある出来事です。特に静粛性の向上に力を入れるプレミアムセグメントのモデルはほとんどです。「見えないならカバーを外せばいいのでは」と、そう簡単にはいきません。オークション会場の出品検査と異なり、お客様の視線が絶えず気になる状況での修復歴チェックは本当に苦労します。こうした場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。
◆まずは車体構造を理解しておきましょう
現在主流の【モノコック構造】は、強固にできた客室の前後を潰れやすいエンジンルームと荷室(クラッシャブルゾーン)で挟む構造となっています。特に衝突リスクの高いフロントエリア(エンジンルーム)は、衝撃吸収の技術進歩が著しく様々な工夫が各所に施されています。その中でも査定チェックに重要な3つを理解しておきましょう。
①クラッシャブルゾーンの拡大
フロントインサイドパネルやフロントサイドメンバー先端をラジエータコアサポートよりも後退させることでクラッシャブルゾーン(図①の黄色い部分)を拡大するこの処理は、
・骨格部位の先端位置が後退することで、衝撃波及リスクが減少した。
・以前よりも死角が減り、骨格部位先端が確認しやすくなった。
このことから査定チェックの視点では歓迎すべき傾向と言えます。
②衝撃吸収と修理の簡素化を目的とした「アルミ製クラッシュボックス」の採用
後退したフロントサイドメンバーの位置には、衝撃吸収の役割を持つ「クラッシュボックス」がフロントサイドメンバー先端にボルト装着されるようになりました(図①赤い部分)。その結果、フロントサイドメンバーより前方で衝撃を吸収し、潰れたクラッシュボックスも交換修理が容易になったのです。査定の際にはフロントサイドメンバー先端の取付け部付近を確認し「不自然な隙間がないか?」を確認しましょう。(図②赤色部分)
③ボルト留めラジエータコアサポート・フロントクロスメンバーの採用(図①茶色部)
修復歴の判断時には、最も重要なポイントかもしれません。オークション会場をはじめとする中古車取扱い機関では、ボルト留めの部位は【骨格部位】として扱っていないところが多いです。現在プレミアムセグメントの多くは、ラジエータコアサポートやフロントクロスメンバー付近がカバーで覆われ確認が難しくなっておりますが、それらの多くはボルト装着。つまり部位の損傷や修理跡を万が一見落としたとしても、修復歴車扱い(R点)を免れることができます。これらの傾向を踏まえたうえで、どのようにチェックを進めていけば良いか。次回はその攻略方法をご紹介いたします。
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