「排出ガス後処理装置検討会」最終報告を公表 - グーネット自動車流通

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「排出ガス後処理装置検討会」最終報告を公表

整備 2014年04月01日
会社名:国交省・環境省
尿素SCRのシステム図。DPFが備わっていない右側が新長期規制適合車、DPFのある左側がポスト新長期規制適合車のもの

尿素SCRのシステム図。DPFが備わっていない右側が新長期規制適合車、DPFのある左側がポスト新長期規制適合車のもの

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 国土交通省および環境省はこのほど、「排出ガス後処理装置検討会」がまとめた最終報告を公表した。

 これは、車両総重量3.5トン超のディーゼル重量車のうち、尿素SCR(選択式触媒還元)システムを搭載する平成17年排出ガス規制(新長期規制)適合車の使用課程車から、同システムの劣化によりNOx(窒素酸化物)規制値を大幅に上回る事例が確認されたことを受け、2013年10月に同会を発足。その原因および対策法を調査し、その結果を踏まえ今後の取り組みの方向性を示唆したもの。概要は以下の通り。


<SCR触媒のHC被毒および前段酸化触媒の硫黄被毒について>
 尿素SCRシステムを搭載する新長期規制適合車がNOx規制値を大幅に上回る原因として、同システムの前段酸化触媒、SCR触媒、後段酸化触媒が未燃燃料由来のHC、硫黄、リン、その他金属により被毒し性能が低下していると考えられたことに対し、同会で原因を究明した結果、未燃HC(炭化水素)がSCR触媒の表面に付着するHC被毒が性能低下の一因と特定。400~500℃、40分間程度の昇温を定期的に実施すれば、性能がある程度回復することがわかった。

 その後、関連各カーメーカーは、昨年8月から今年2月まで、車検などの機会を利用し3,044台に対し昇温作業を自主的に実施。昇温作業の前後で、NOx排出量が約3割減少することがわかった。今後も、昇温作業の実施率をさらに向上させるためユーザーへの周知を徹底するとともに、定期的な昇温作業の実施を継続して、HC被毒の解消を図るのが望ましい。

 また、前段酸化触媒については、硫黄の被毒などにより永久的な劣化が生じている可能性が高いと指摘されていたため、各種試験をおこなったものの、性能低下のメカニズムに関し未解明の部分が多く残った。引き続き中長期的に調査研究を進めることが求められる。


<ポスト新長期規制適合車について>
 平成21年排出ガス規制(ポスト新長期規制)適合車のSCR触媒には、現在国内で導入されている全ての型式にDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)が装着されている。その再生をおこなう際の昇温制御により、同規制適合車では、SCR触媒などが加熱されるためHC被毒が解消され、前段酸化触媒もDPF再生時に被毒が抑えられ劣化は生じないと予想されていた。

 そのため、回収した尿素SCRシステムを用いたエンジンベンチ試験、使用過程車でのシャシーダイナモ試験を実施した。結果、SCR触媒への依存度が大きい車種、DPFの再生頻度が低いうえ再生時の最高温度が低い車種ではNOx排出量に若干の増加が見られたものの、同規制適合車の排出ガス後処理装置の性能は、使用過程においても概ね適切に維持されていると判断された。

 今後は使用過程で走行距離が伸びた場合の排出ガス性能について、使用過程車の実測調査を継続的に実施するとともに、カーメーカーは平成28年(2016年)の実施が中央環境審議会より提言されている次期規制に向け、排出ガス後処理装置の耐久性をより一層高めるための技術開発をおこなう必要がある。


<排出ガス後処理装置のレイアウトについて>
 日本における現行の認証試験ではエンジン別にベンチ試験を実施しているが、同じエンジンでも車両の構造の違いにより、エンジンから排出ガス後処理装置までの排気管の長さなどが異なる場合がある。

 なお、触媒の浄化性能は、排気温度の影響を大きく受ける。かつ同じエンジンでも、排気管の長さが異なることで排気温度が変わり、同時に浄化性能も変わることが判明した。
 そのため、排気温度にとって最も厳しい、排気管の長さを同一エンジン搭載車の中で最長のものに合わせ、かつ排気圧力を同車両の条件に合わせた状態で、認証試験を実施するのが適当。


<使用過程での性能維持方策について>
 各種センサーなどにより排出ガス低減装置の性能低下を検出する、より高度なOBDシステムの導入を、2016年の次期排出ガス規制開始より2年以内、2018年より義務づけるのが適当。

 また排出ガス後処理装置、特に尿素SCRシステムを適切に稼働させるためには、自動車ユーザーた適切な品質の燃料、エンジンオイル、尿素水などを使用することと、自らが責任を持って適切に点検整備を実施することが必要不可欠である。r

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