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中国で中古車情報サイトを運営する華夏中古車ネット(楊青董事長兼総経理 本社:浙江省・杭州 設立2007年)は、10月29日と30日の両日で浙江省の省都である杭州市の三立元名都大酒店にて全国から600社の中古車事業者を集め、「グローバル中古車サミット」を開催した。日本からはNPO法人自動車流通市場研究所の中尾聡理事長が招かれ「日本の中古車流通60年の歴史と現状」について講演を行った。
同国は2018年の中古車登録台数が1382万台という実績が示す通り、世界一のマーケットを擁している。しかしながら、近年は長期化する米国との貿易戦争によって景気は低迷、それに加えて、資金調達金利が上昇し、利率は10%を優に超え、ほとんどが中小企業である中古車事業者にとっては、これが利益を大きく圧迫し、多くの事業者の経営を逼迫させているという。
そのような市場背景の中で開催されたこともあり、サミットの冒頭、挨拶に立った楊董事長は「今年のテーマは“ドラスティックな変化”である」とし、「過去10年、毎年このサミットを開催してきたが、これまでは優秀店の表彰と親睦的な催しであった。しかし、現在我々を取り巻く市場環境は極めて厳しくなっていることから、今回から淘汰の時代を生き残るための有効な経営戦略を学ぶ機会にした」と語った。
具体的な内容としては、初日は地域も規模も異なる600社が6社ずつ1グループになって、主催者が提示した30のテーマから一つを抽出し、そのテーマについて討議するワークショップを、二日目は中古車流通先進国の日本、米国、ドイツ、台湾から講師を招き、各国の中古車流通の成り立ちや最新のトレンドについて、講演が行われた。
日本から参加した中尾理事長は「日本も右肩上がりで成長していた時期は“売りっぱなし”の形態が許容される狩猟型のフロービジネスで通用していたが、今は顧客を大事に育ていく農耕型のストックビジネスに変化しなければ生き残ってはいけない。それにはまず、価格と品質の透明感を訴求し、消費者から信頼される市場を目指さなければならない」と語り、具体的な成功事例も含め講演した。講演を終えた同氏は「これまで中国では何度か講演してきたが、前日のワークショップで深夜まで真剣に取り組み姿勢をみてもそうだが、自分の講演から少しでも学ぼうという意気込みが感じられ、以前とは事業者の意識が大きく変わっきている」と語った。それだけ現在の同国の中古車市場の厳しさを表していると言える。
セミナー終了後、楊理事長は「日本からまだまだ学ぶべきことが多い」とし、2020年春には優秀店30社とともに日本の中古車流通視察を実施することを正式に発表した。
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