【特集】中古車の「支払総額」表示義務化へ - グーネット自動車流通

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【特集】中古車の「支払総額」表示義務化へ

企業・団体 2022年01月26日
来年3月以降に規約改正の見込み
会社名:プロトコーポレーション自動車流通新聞

 自動車公正取引協議会(公取協、神子柴寿昭会長)は、広告表示適正化に向けて、中古車の「支払総額」の表示義務付けを検討している。早ければ年度内に規約・規則改正案をとりまとめ、6月の総会で承認後、消費者庁と公正取引委員会へ改正規約の認定承認を申請、来年3月以降に改正規約が施行される見込みだ。数年ぶりの大きな自動車公正競争規約の改正となる。


<支払総額表示義務付けの背景>
 中古車の「支払総額」の表示義務付けの検討の背景にあるのは、公取協が、消費者からの苦情相談の多い大手専業店等を対象に実施した実態調査でも明らかになった「安価な車両価格を表示しているが、その価格では販売しない不当な価格表示」や「高額な保証や整備、オプションの購入を強制する不適切な販売行為」、「不適切な諸費用の請求」などの中古車販売における問題点だ。

 公取協では、現状の問題を解決するために必要な対応として、規約・規則を改正し、中古車の販売価格として「支払総額」表示を義務付ける(併せて内訳として「車両価格」と「諸費用の額」を表示する) こと、また、表示した「支払総額」で購入できない場合、不当な価格表示(規約・景表法違反)となることを会員・非会員に周知するとともに、不当な価格表示に関する規定及び規約違反措置基準(厳罰化)の見直しを行うこと等についても検討が行われている。

 また、「支払総額」表示により、高額・不適切な諸費用の請求には一定の歯止めがかかるが、根本的に解決するためには、不適切な「諸費用」の明確化・周知が必要としている。特に、納車に関連した名目の費用(「納車準備費用」、「納車点検費用」、「納車整備費用」等)の請求は、慣行化しているが、中古車の商品化のための費用は、名称の如何を問わず中古車の車両価格に含まれるべきもので、「諸費用」として不適切(請求できない)ものである。

 情報誌賛助会員に対しては、規約・規則の改正に伴い、各社媒体の掲載基準も「支払総額」の表示を義務化することのほか、現状の「車両価格」が公正な競争価格となっていないこと、「不当な価格表示」や「不適切な諸費用」、「高額な諸費用の請求」等の未然防止の観点から、掲載事業者に対して表示した「支払総額」で購入できない場合は不当な価格表示となることの周知活動、「諸費用の考え方」の事前の周知・啓発、その上で、誌面・サイトにおける消費者への周知・啓発活動の実施について協力要請が行われている。

 現状の問題を解決するために必要な対応とは何か。どう規約が改正されるのか。諸費用についてどう考えればよいのか、規約改正後の表示のポイントなどについて次ページ以降にまとめた。

 現状の規約では、中古車の販売価格の表示は、「現金価格(車両価格)」か「支払総額」のいずれかを表示する。「現金価格(車両価格)」とは、店頭において、車両を引き渡す場合の消費税を含めた現金販売価格であって、「諸費用(保険料や消費税を除く税金、登録等に伴う費用)」は含まない。「支払総額」は、この「現金価格(車両価格)」に中古車を購入する際に最低限必要な「諸費用」を加えた価格だ。(図表①)

<諸費用の考え方>
「諸費用」は、保険料、税金、登録等に伴う費用を指す。従って、支払総額に含めることができる適切な「諸費用」とは、図表②に限られる。店頭納車の場合は請求できない納車費用や信販会社または他の販売店の所有権留保車両を下取る際の所有権留保の解除費用である下取り手続き代行費用などは、「諸費用」としては適切だが、購入者により要否が異なるため支払総額には含めない。

 一方、「諸費用」としては不適切で、「現金販売価格(車両価格)」に含まれるべき費用としては図表③となる。納車準備費用や納車点検費用等、名称の如何を問わず、車内清掃や洗車、クリーニング、ワックスがけなど販売の準備行為や車両の商品化のための作業の費用等は、「現金販売価格(車両価格)」に含めることが必要で別途請求することはできない。

<既に規約違反として警告も>
 これらの費用を「現金価格(車両価格)」に含めず、別途請求した場合、「表示した販売価格で購入できるかのように誤認させる「不当表示」に該当する。また、定期点検整備の実施や、保証、オプション等の購入が車両購入の条件である場合、これに要する費用は、「現金価格(車両価格)」に含めて表示することが必要になる。

 公取協では、安価な販売価格を表示し、整備や保証、オプション等の購入を強制(表示価格では購入できない)した事業者に対し、既に規約違反として「警告」の措置をとるとともに、不適切な販売対応について改善指導を行った。

 これら公正競争規約に則った考え方は、現状の規約に則ったものであり、新しい考え方ではないので規約違反になっていないかどうか注意が必要だ。

<規約改正試案について>
  規約改正試案は、「中古車の販売価格として支払総額を表示、併せて、内訳として車両価格及び諸費用の額を表示することとする」としている。プライスボードの表示例や広告、チラシ等表示も例示された。諸費用の内訳については省略できるが、諸費用として不適切なものは含めることはできない。(右図表③)

 現状の問題を解決するために必要な対応としては、支払総額表示の義務化だけにとどまらない。不当表示への対応として、規約違反措置基準の厳罰化も検討されている。

 表示された「支払総額」で購入できない等の不当な価格表示に対する不当表示規定の策定や規約違反措置基準の見直しを行う。これらは規約、景表法違反となることを明確化し、会員、非会員にも広く周知する。


「JU中販連 塚田長志指導環境担当副理事長」
 「総額表示はユーザーの安心と信頼を得るためにも大切な取組み。表示価格と支払い価格が異なるような業界であってはいけない。総額表示は中古車販売業を守るためにも、表立って進めていくべき施策である」。

 「総額表示は自動車販売に限らず小売業の中でメリットは高まる。自動車販売では将来の整備や車検費用を車両販売時に請求し、後々ユーザーとトラブルになるケースも生じている。また、キャンセルに応じない等の消費者相談も散見される。こと中古車販売においてはユーザーを守ることが中古車業界の発展に繋がる。我々が襟を正した商売に努めないと中古車業界の明るい未来が見えない。自動車販売店の皆様と共に健全な販売の形態を作っていく意味でも総額表示は必要なもの。 願わくばユーザーのことを考え、総額表示は国として法制化してほしい思いがある。中古車販売業に関しては全てを総額表示にすべき。ユーザーを保護するための法律も必要ではと考える」。

 「総額表示への取組みは、ユーザーが中古車販売業界を安心して利用できるかどうかを判断してもらえる分岐点とも言える。その意味でもユーザー第一主義を徹底していきたい」。

 「JU中販連はユーザーから信頼される、認められる組織の構築に取組んでいる。その一例がJU適正販売店制度や中古自動車販売士制度であり、ユーザーに向き合って対処していく姿勢が込められている。JU中販連の取組みに賛同していただける方は是非、加盟してほしい。中古車は大切に扱っていかないといけない商品。ユーザーのため、消費者のためにできることを推進していきたい」。



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4、4.5点

【抽出価格条件】

直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること