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1年を通して業務量が均一という業種より、繁忙期が存在する会社が多いと思います。そんな業界にマッチするのが労働基準法の1年変形労働時間制(以下、1年変形という)。多くの自動車会社も採用するその制度の中身と活用法をみていきましょう。
■誤解が多い1年変形
以前、知り合いから「労務管理について相談したい自動車会社がある」というお話をいただき、さっそく事務所を訪問。その相談内容のメインが以前から利用している1年変形だったため、昨年の書類を見せていただいたところ、年間を通して各月の休日数にあまり変化がない。「業種的にこの時期は忙しいと思いますが休みが多いですね」。1年変形はパンフレットだけみても分かりにくく、長年誤解されていたようです。制度の仕組みを説明し、さっそく業務の繁閑に応じた休日数を設定することに。
■年間を通して休みを決める
この制度を簡単に説明すると、1年間を通して1週間当たりの労働時間を平均40時間以内に抑えるというもの。通常、8時間労働の会社において週6日勤務すると48時間労働となり、少なくとも8時間の残業が発生します。が、1年変形の場合は1年を通して考えるため、例えば翌月に週3日休み32時間のウイークがあれば、前月の48時間との平均となり、結果40時間以内に収まり残業時間とはなりません。つまり、忙しい月は4日程度の休日とし、余裕のある月は12日程度の休みとすることも可能。また、休日はGWやお盆などの長期休業を活用することもできます。
■所定労働時間も大事
そのほか、1日の所定労働時間に応じて年間休日数が大きく変動することもポイントとなります。図表のように7時間30分労働では年間休日が少なくとも87日、8時間では105日となり、その差18日。実際の年間所定労働時間は2080~85時間程度でほぼ変わらないものの、1日の所定労働時間によって休日数が大きく変わってくるのです。会社の業務特性に応じて設定することをお勧めします。 労働基準法は、ひっぱると伸びるゴムのように例外的な規定もあり、それをうまく活用することが重要です。自社に合った労務管理を構築していきましょう。
【筆者プロフィール】
社会保険労務士・自動車整備コンサルタント 本田淳也
青森県深浦町生まれ。北海道自動車短大を卒業後、ディーラーにメカニックとして勤務。その経験を活かし四駆専門誌で数多くの記事を執筆。帰郷後、本田社会保険労務士事務所を開業。モットーは「仕事をもっと、おもしろく。地方に活力を」。著書「自動車整備業の経営と労務管理」(日本法令)。
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