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冠水歴を疑うにあたり『冠水とは?』、『冠水被害を受けた車両の修理』をこれまで紹介してまいりました。これらの内容を念頭に置きいよいよ車両の確認を行います。今回は車内のどこに注意すべきかをご紹介いたします。
【視界に入る場所に痕跡を残さない】
未修理の『冠水現状車』は、一目でそれとわかりますが、一度修理されてしまうとそう簡単に気づけなくなります。これは【修復歴車】にも共通することですが、『視界に入りやすい場所は入念に処理(修理)されてしまう』からであり、画像①のような状態を期待しても、まず遭遇することはないでしょう。
【『洗浄・乾燥』で処理されやすい部品のチェックを中心に行う】
前回もご紹介しましたが、冠水被害にあった車両は『部品交換』『部品洗浄・乾燥』を行います。 車内を見渡すと『交換』までせずとも洗浄・乾燥処理で【機能が復元できる】部品が多く存在していることがわかります。 特に『センターフロアパネルからシート座面下までのエリア』に装着されている部品にはその傾向が多くみられます。 そこでシート、フロアカーペット、シートベルト、各トリム類に着目してみましょう。
【不自然な泥やシミが残っていないか?】
泥水が浸み込んだシートやカーペットは、洗浄・乾燥に時間がかかります。特に表皮の下にある厚いウレタン素材にまで浸水してしまうと、泥の微粒子が深い部分に残留してしまいます。また乾燥させたとしても泥水に浸かってしまったウレタンには茶色いシミ(変色)が残ります(画像②③)。
まずはそのシミが残っていないかチェックしてみましょう。確認する場所はあくまでも【視界に入らない裏側】が基本。『フロアカーペットをめくってみる(画像④)』、『リヤシートの座面を外してみる』、 『フロントシートの座面裏側を覗いてみる』、『巻き取られているシートベルトを引き出してみる(画像➄)』 このように視界に入りにくい場所には、『ひと手間かけた確認動作』が求められます(つづく)。
【最後に・・・】
10月に発生した台風19号は、本州の広範囲に多大なる被害をもたらしました。被害に合われた皆様におかれましては、復興までに時間と労力がかかるかとご推察いたします。末筆ではございますが、謹んでお見舞い申し上げます。
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