中古車輸出レポート「ニュージーランド」前編 - グーネット自動車流通

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中古車輸出レポート「ニュージーランド」前編

企業・団体 2016年05月16日
株式会社E-BRIDGE 代表 大橋冬命
会社名:E-BRIDGE
コンプライアンスセンター風景(画像提供:EAS Japan)

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 中古車輸出業界の2016年は厳しいスタートを切る形になった。中国経済の先行き不安や昨年末からの円高の動きが絡み合い、昨年対比でマイナスの輸出台数となっている国が非常に多い。毎年輸出台数が上位国のニュージーランド(以下、NZ)も円高の煽りを受けて、2016年1月の輸出台数は昨年同月対比で96.3%の9769台の着地となった。

 それでも、昨年が日本からの中古車輸入台数がレコードイヤーだったNZは、他のマーケットと比べると非常に安定しているといえ、人口が450万人の国にも関わらず、成長性を出し続けている。 その大きな要因は2点あり、1つ目は「移民の増加」である。2015年の1年間でNZは移民だけで年間6万人も人口が増えている。中国・韓国・インドからの移民が増えており、彼らが生活に必要なクルマを購入している。大気汚染とは無縁で、かつNZで永住権を取得すれば、オーストラリアに移り住みやすいというメリットもあり、NZの移民の人気は高い。政府も移民政策を取っているので、移民による人口増加の傾向は今後も続くと予測されている。

 中古車輸出マーケットが好調な2つ目の要因は「乗換えサイクルの短さ」である。NZの平均乗換えサイクルは3年といわれている。その理由は、主な交通手段がクルマであり、年間平均3万〜5万キロ走行するため、日本の中古車は約3年で乗り換えられる。乗出しの走行距離が10万キロを超えている車両は2年で乗換えとなっている。加えて、自動車免許取得可能年齢も16歳からなので、自動車保有人口は非常に多い。

 移民の増加に伴い、人気車両の幅も広がった。中国・韓国人にはトヨタのアルファードやヴェルファイアの人気が非常に高く、新型のエグゼクティブラウンジのモデルも町中でよく見かける。高級車もよく売れているマーケットではあるが、ボリュームゾーンは2005〜2009年式のコンパクトカーだ。中でもボディ色がオレンジや赤や青や緑は非常に人気が高い。ユーザーになぜ派手な色を好むのか質問すると、皆と同じが嫌だし、スーパーの駐車場にクルマを止めて買い物から戻ると、ボディ色が白やシルバーだと自分のクルマが分からなくなるそうだ。

 日本からの中古車輸出台数が安定しており、成長性も出しているNZに今からでも新規輸出事業者として参戦して勝算があるかと聞かれることが多い。その問いに対する答えはYESである。ただし、他の海外マーケットと車両の「品質」が圧倒的に異なるので、その点の注意が必要になる。

 クルマを仕入れる際、もしくは出荷前に一度も現車を確認せずに中古車を輸出するスキームでは間違いなく痛い目をみる。NZでは、日本から中古車を輸入して店頭で一般ユーザーに販売する間に、コンプライアンス(輸入車検)に合格する必要がある。簡単に説明するとサビや修復状態により車の骨格強度に問題があると判断された場合は、このコンプライアンスは不合格になり、加修して再検査を受けなければならない。車両状態が酷い場合は修理費用で5,000NZドルかかることもあり、その車両を輸入したバイヤーは大赤字になって輸出した業者に大きなクレームとなって跳ね返ってくる。

 ではどうすればNZ向け輸出が問題なく出来るかといわれると、NZ向け輸出の正しい知識を身につけることに限る。中途半端にトライアンドエラーで攻め込むと、一度のクレームで看板が傷つき、次の車を輸出しにくい状態になってしまう。弊社ではNZへのアテンドも行っているので、NZ向け中古車輸出に取り組むにあたって十分に課題やリスクの洗い出しが出来る。

 日本から中古車が安定して輸入される市場であることは、税関統計や先に述べた2つの要因でお分かりいただけたと思う。では、NZ現地での小売は好調なのかと言われると、これは日本国内と同じく、販売が好調なお店もあれば閑古鳥が鳴いており廃業するお店も存在している。数字のうえでは、2016年1月にNZ国内で新規車両登録された台数は、中古車が11,675台で、新車が8,899台の合計20,574台となっている。NZ国内の小売マーケットは非常に熱いが、競争も激しいため小売業者の淘汰が起こっている。特に近年ではNZ国内でもインターネット広告を利用した販売が盛んなので、インターネットがもたらす小売環境の変化についていけていない現地小売業者は厳しい状態になっている。

 2017年にはトヨタやGMのオーストラリアでの自動車生産が終了し、100%海外からの輸入に頼る市場に変化することを見通して、その準備としてもNZ向けのビジネスを模索している企業は非常に多い。アフリカ等の発展途上国への中古車輸出が冷えていることもあり、ますますNZ向け中古車輸出の注目度は高まっている。






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4、4.5点

【抽出価格条件】

直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること