【特集】2021年上半期振返りと下半期の見通し - グーネット自動車流通

2024年3月29日 [金曜日] 先負 |  西暦元号早見表 西暦元号早見表  |  サイトマップ サイトマップ

【特集】2021年上半期振返りと下半期の見通し

企業・団体 2021年10月31日
会社名:プロトコーポレーション

【新車販売は前年同期比1.1%増】9月は販売台数に急ブレーキ

2021年度上半期(21年4月〜9月)の新車販売台数(含軽、日本自動車販売協会連合会発表)は、前年同期比1・1%増の205万360台だった。4月〜6月までは前年の新型コロナウイルス感染拡大の影響で低迷していた販売台数を上回る形で増加基調を続けていたが、7月に入り世界的な変異株拡大の影響から海外からの部品調達難、従来から継続する半導体不足の影響などにより、市場には新車が不足し始めた。9月になるとメーカーの生産台数調整の局面に入り、販売に急ブレーキがかかった。新車の販売台数は前年同月比32・2%減とほぼ三分の二にまで落ち込んだ。千葉県の新車ディーラ担当者はこうした状況について「半導体不足、部品の納品遅れにより、新車の納期は大幅に遅れ、販売面でも厳しい状況が続いている。納期は車種により異なるが、早くても年末、人気車は年度末から7月まで時間を要するのものもある。すぐに使用できる中古車需要は高まっているものの、新車納期遅れによる代替車も出てこないため、中古車不足の状況。この状況を受け、自社展示車確保に注力している」と話す。

一方、近畿地区の三菱系ディーラー首脳は「上半期は他メーカーのような半導体の影響による新車供給遅れの影響も少なく、新車販売台数では前年同期比50%増に迫る勢いだった。とりわけ登録車は2倍近い伸び率だった。少なからず新車の供給不足もあったが、計画的な仕入れなどで売りダマを確保できたことが大きい。下半期は軽自動車の供給がさらに潤沢になるほか、新型『アウトランダー』の発売を控えており、好条件が揃うことから期待感を強めている。中古車小売りも年々過去最高レベルで推移している」という声も聞かれた。東海地区ディーラー販売店は「上半期前半は半導体不足によりメーカーからの新車車両の供給が遅れ、ユーザーへの納車に目途が立たない状況が続いた。ナビゲーションやラジオなどの音楽機器関係にも影響が大きく、車両があっても音楽機器がないために納車できないことも多々あった。需要はあり契約数は多かったが、登録ができないため現金化ができていない。下半期についてもメーカーからの供給については、何も連絡がきていないため目途はたっていない」と不安感を強める。

 今後については、新型コロナウイルスの影響次第ではあるが、新車の需要としては、新型モデルの投入も控えており、これまで同様需要は高まることが予想される。ただし、世界的な半導体不足に加え、大幅な減産、コロナ変異株の影響で、供給について不安定な状況があることも想定される。今回の特集では、中古車販売や中古車輸出、オークション市場についても上半期を振返るとともに、下半期の見通しについても業界関係者からのヒアリング結果を紹介していきたい。

【中古車販売】6月以降低調に推移、タマ不足の影響鮮明に「下半期の見通しは不鮮明」
 2021年上半期(21年4月〜9月)の中古車登録台数(日本自動車販売協会連合会調べ)は、前年同期比2・8%減の179万7360台だった。前年から続く新型コロナウイルス感染拡大の反動から、4月は前年同月比7・9%増、5月は前年同月比14・3%増の23万1839台と大きく増加基調が続いたが、6月に入ると1・8%減、7月は14・8%減、8月は8・8%減、9月は7・6%減と6月〜9月では、それぞれ4カ月連続で前年同月実績を下回り、中古車の販売実績は前年に比べ低調に推移した。軽自動車は、全国軽自動車協会連合会発表による21年4月〜8月の軽四輪車中古車販売台数を見ると、前年同期比1・5%増の118万5655台と前年同期実績を僅かにではあるが上回る内容となってはいるが、7月以降の実績は前年を下回っている。

 21年度上半期の中古車販売状況は、コロナの影響に消費者マインドが振り回されている状況のようだ。新車販売低迷からくるタマ不足からも7月以降の販売低迷に拍車をかける。 関東地区の中古車ディーラー関係者は「年度始めの小売り販売状況は好調であり、販売台数も安定していたが。しかし7月以降は今週は売れたと思ったら翌週は全く売れないといった不安定な状況になった」と話す。明確な理由付けは難しいが、感染者数の増加を受け、ユーザーの消費マインドに影響を与えたのかもしれない。 中国地区の中古車専業店では「AA業販での利益は前年同期水準を上回るなど、堅調に推移したものの、小売りが停滞した。小売りダマが日を追うごとに不足し、展示場の充足率が低いまま。小売りダマの仕入れが厳しい」と切実な声も聞かれた。また「AA相場は高く、出品店の立場では成約率も成約単価も高く、好条件が続いている。一方で落札する側に立った際、相場が高すぎて、なかなか仕入れできないのが実情。ユーザーからの注文車もなかなか買えず、苦労している」(九州地区の中古車専業店)とタマ不足からくる相場の高騰も中古車小売りに与える影響が大きいようた。

 下半期の見通しについて、関東地区中古車販売店は「リベンジ消費なるコロナ禍中の消費を我慢していたユーザーが積極的に消費する傾向もあり、高額中古輸入車の販売が前年比1・5倍になるなど、明るい話題もあるが、総じては厳しい販売環境が続くと思われる」と話す。中部地区中古車販売店では「新車の納車遅れが原因で展示場の充足率が低い。従来、卸し向きの低年式、過走行の車両を展示販売しているが、需要はあるものの、ユーザーの希望する車とあわず成約に至らないケースが増えている」という。中古車市場についても新車製造の状況が改善しないとタマ不足は続き、良質車の価格高騰は続く。実際に納車が進まないと下取り車の供給が不足する。見通しのつかない状況ではあるが、年明けには戻っていて欲しいと期待を込める声も聞かれた。

【市場はタマ不足、相場は記録的な高騰】中古車輸出は好調 日本車のニーズは高い
2021年上半期(21年4月〜9月)国内オートオークション(AA)実績(主催者発表速報値集計、プロトコーポレーション調べ)は、総出品台数が前年比4・1%増の352万1231台、成約台数が同11・4%増の236万4935台という実績だった。前年実績に対して、出品台数はほぼ前年並みという結果だが、成約台数は2けた増とタマ不足の中での引き合いが増えたことにより相場が高騰している。ここでも新型コロナウイルス感染拡大が市場全体に大きく影響した。オークション成約価格も新車の供給不足も相まって需給バランスが崩れ、成約単価は9月に66万円を超えるなど記録的に高騰している。相場の高騰は昨年の6月以降16カ月連続で前年を上回っており、中古車販売店、輸出事業者など仕入れる側からみると、価格面で厳しい状況が続いている。

【上半期の振返りと足下の状況】
 オークション市場関係者に足下の状況を聞くと「半導体と海外からの部品供給の遅れから新車納車の遅れがAA業界に大きく響いている。影響としては出品台数の減少、成約単価の上昇により一部の資金力のある会員しか落札できていない」(中部地区AA会場関係者)と話す。中部地区の買取店は「新車納車が見通しが立たない為、買取店に来店するユーザーも売り時がわからない。売りたいユーザーは一定数いるものの、成約に結び付かないケースが多かった。ただし、AAでの落札金額は高値維持している」ので成約後AAに出品すればある程度の利益は確保できているという。「タマ不足と高成約率基調で、毎週新規出品車を集めなければならない状況が続いた。9月からはもう一段、タマ不足の傾向が強まっている」(九州地区のAA会場関係者)と切実な声も聞かれ、近畿地区のAA会場関係者は「ディーラー出品が減、高成約率で毎週の集荷が大変な状況。売れるのは良いが、高くて仕入れできないと会員の声も多い」と話す。4月は55万6000円だった成約単価は、9月には66万3000円と短期間で10万円以上も高騰している。歴史的な中古車相場の高騰を受け、業界全体に影響が出始めている。

【下半期「見通し」】
 「高年式・高額車への応札が強く、全体の相場を押し上げている印象。新車供給の遅れから、こうした中古車へのニーズが高まっている」(近畿地区のAA会場関係者)という声や「新車供給の遅れは年内どころか、少なくとも来年初めまでは続くと言われている。9月から急速にタマ不足傾向が強まっており、年内は大変厳しい状況が続くと見ている」(九州地区のAA会場関係者)と状況が改善するには時間がかかりそうだ。

【中古車輸出の状況】
 各国コロナ禍の状況は続いているが、8月迄の税関統計の数字上からは、昨年と比較して51・5%増(プラス18万5451台)、コロナ前の2 019 年の同時期と比較しても99・0%(マイナス5038台)、と回復傾向が伺える。昨年の4月、5月は大幅に落ち込んだが今年は毎月10万台以上が輸出されており、現在のペースを維持できれば、年間130万台近くに達する見通し。世界における日本の中古車ニーズは高い。中古車輸出コンサルタントは「交通インフラが十分でない海外での潜在的な中古車需要は変わっていないが、船の減便と新車輸出増加に伴う中古車の船腹スペース不足や中国から海外への輸出増加に伴うコンテナ不足の影響を受けている。船賃の異常なスピードの値上げや中古車発生台数の減少という要素が需要と供給のバランスを崩してしまっており、中古車輸出市場を鈍化させてしまっている。ただ、環境に変化は付き物なため、徐々に変化に適応てくると思われる」と話す。こうした環境下で中古車輸出業者のビジネスに対する考え方の変化はポジティブに捉えられる。特に、台あたりの利益改善に対する考え方は、市場を良い方向に動かすのではないかと思われる。今までの『なるべく安く、なるべく多く売る』考え方から、『1台を大切に、付帯商品やサービスを提案する』考え方にシフトしてきている。輸出相場が上がることは、国内の新車・中古車乗換需要にも下取り価格の上昇という好影響を与える。

[PR]トレンドウォッチ

オークション一覧へ


整備一覧へ


板金一覧へ


店舗情報一覧へ


ひと一覧へ


コラム一覧へ


相場統計一覧へ


新製品一覧へ


新車ランキング一覧へ


中古車ランキング一覧へ


FC加盟募集 アップル

荒井商事

ASNET

QuickXQuick

週間オークション情報

Loca Loca

オークション会場情報へ

成功事例集

バナー広告募集中

グーネット自動車流通へのご意見・ご要望

企業・団体関連の過去記事を検索する

日  ~  

【対象評価点】

4、4.5点

【抽出価格条件】

直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること