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【特集】「福祉車両」20年の65歳以上人口割合は28.8%、「高齢化社会」鮮明に

コラム 2021年09月25日
介護サービス事業者も大きく増加、福祉車両へのニーズも年々高まり見せる
全国で福祉車両専門店が増加

全国で福祉車両専門店が増加

複数画像有

拡大拡大する

 内閣府がまとめた「令和3年版高齢社会白書」によると、2020年10月1日現在のわが国の総人口は1億2571万人。このうち65歳以上人口は3619万人に上り、総人口に占める割合(高齢化率)は28.8%にまで拡大している。厚生労働省が公表している高齢者人口の見通しを見ると、65歳以上高齢者人口は25年には3657万人(占有率30.3%)まで拡大、55年には3626万人(同39.4%)を占めるという驚くべき予測が出ている。55年の75歳以上人口の割合は26.1%に、現状の65歳以上人口に匹敵する規模まで高齢化社会が進行することが予測される。00年4月に介護保険制度がスタートし20年以上が経過、介護サービス利用者数は当初の3倍規模にも拡大、これに伴う介護・福祉車両へのニーズを大きく拡大した。

■「高齢化社会」の進行で福祉車両専門店も増加
 いわゆる福祉車両は、介護向け車両のほか、高齢者や身体障害者が自身で運転するための補助装置の付いた車両の大きく二通りに分けられるが、介護用車両は介護保険制度の施行後、急速に介護サービス事業者が増えたことで、大きく市場が拡大した。高齢化社会はさらに進行することから、引く続き高水準の利用者ニーズが考えられ「福祉車両」というジャンルに絞った専門店化も進んでいる。新車ディーラーにおいてもこうした状況下で、福祉車両シリーズの展示車を網羅する専門店も登場、専業店においても地域密着の営業展開の一環として「福祉車両専門店」を標榜する店舗も増加してきた。

■専門店増で地域密着型の営業展開が鮮明に
 福祉車両販売・サービスを長年手がけるオレンジ(広島市西区、新宮且識社長)でも「最近は販売店も増加した一方で、介護サービス事業者も増加する中で、販売・サービスは地域密着型に移行している。(専門店が少なかった)以前のように、遠方への納車やサービスというケースは減少した」(新宮社長)という。事業所への販売、サービスが中心となり、きめ細かいアフターフォローや代車やレンタカーの配備などが専門店には求められている。

■都市部で少子高齢化が急速に加速する
 こうした流れは、全国でも少子高齢化が早く進行した地方部で顕著だったが、厚労省の公表資料によると、ここ数年は都市部にその波が押し寄せていることが分かる。全国トップの75歳以上人口の拡大が見られるのは埼玉や千葉、神奈川、大阪、愛知、東京といった主要都府県。10年から25年(予測)にかけての75歳以上人口の増加率は埼玉が2.00倍、千葉が1.92倍、神奈川が1.87倍などと続く。今後数年で都市部での高齢化が大きく加速することを物語っている。

【トップインタビュー】
日本福祉車輌協会 上田満樹理事長

福祉車両の健全な流通、ユーザー保護に注力
福祉車輛取扱士制度の運用や施設向け講習を展開

 日本福祉車輌協会では、福祉車両を取り巻く、環境整備に注力しています。当協会の認定資格として「福祉車輌取扱士」資格を運用し、販売する側に専門知識の習得による業界のスキルアップを図っています。一方で介護施設向けの「福祉送迎運転者講習会」を実施しています。現在は全国に1万2800人の福祉車輌取扱士」が在籍、メーカー・ディーラーによる受講も加速しており、業界を支える大きな資格制度として、業界の健全化に大きく寄与しています。福祉車両の取り扱いには、さまざまな知識が必要で、補助金や税制、自動車保険など、通常の車両とは全く違う制度が存在します。中でも大きく違う点は「消費税非課税」という点です。これはエンドユーザーへの販売、オートオークション(AA)などでの業者間取引に関わらず適用されることで、1991年に施行された消費税法の一部を改定する法律で定められています。引き続き、業界関係者の皆様への同特例への理解浸透に注力していきます。

【福祉車両専門店レポート】
①ヤリミズ自動車(山形県米沢市)
福祉車両はコンサル業、ユーザー一人ひとりに提案
専門店化により全国から注目
 ヤリミズ自動車(山形県米沢市、鑓水孝社長)は、新車・中古車販売、車検整備や鈑金、保険など幅広いサービスでユーザーのカーライフを支えている。同社は福祉車両専門店「らぷれす」をオープンし、本格的に福祉車両の販売・整備に取り組んでいる。
■専門店化により全国から注目
 福祉車両専門店「らぷれす」は2019年1月オープン。2017年からヤリミズ自動車に福祉車両を展示していたが、専門店の出店を決めた。出店理由は高齢化社会へのシフト、またお年寄りが通院する為にも今後、福祉車両の利用が増えていくと考えた。福祉車両は必要としない人には不要なクルマ。出店当初は、年に数台しか売れず収益的には厳しかったが、年を追うごとに問合わせも増えている。福祉車両は使い手の状況によって仕様は異なる。その点からも専門店は注目され、全国から問合わせがある。近隣の介護施設の目にも止まり、メンテナンスの取引も増え、徐々に取引は増えている段階。福祉車両を専門店化した意味合いは大きい。(鑓水伸一専務)
■ノウハウが取引拡大に繋がる
 専門店のオープンにあたり、福祉車両の情報収集と知識を深める必要があると考え、日本福祉車輛協会に入会した。同協会では認定インストラクター制度もあり、当店にも1名有資格者がいる。インストラクターは正しい送迎や固定の仕方をレクチャーするなど、福祉車両のセミナーも開いている。また、福祉車両の新車販売ディーラー以上に商品知識や対応のノウハウは持ち併せ説明できる。インストラクターを通じて信頼も得、取引の拡大にも繋がっている。販売は時と場合により急に必要になることもあるが、福祉車両の修理やメンテナンスの比重は高い。とは言え特別な工場設備は不要であり、ノウハウが重要になる。同協会では過去の修理のデータを開示しており、情報を共有できる点は大きなメリット。(鑓水専務)
■コンサル業的観点が重要
 福祉車両はいきなり儲かるビジネスではない。ただ福祉車両の扱いを始めて感じたのはコンサル業の意味合いがより強いということ。このコンサル業的な観点は一番大事にしている。福祉車両はユーザーニーズに合わせた提案ができる。その内容も体の状況や器具のサイズ、仕様を考慮し一人ひとりに合った提案が必要。その意味でも最終的に行き着くのは自社での改造。福祉車両を通じて、より地域の役に立ちたい。(鑓水専務)

②エーゼットファクトリー(千葉市若葉区)
まっ直ぐ寄り添い「信頼」に応える
地域社会に積極的な貢献を

 エーゼットファクトリー(千葉市若葉区、小野田直社長)は、1986年スズキの二輪販売店からスタート。中古軽自動車の販売をきっかけに四輪販売ディーラーに業態を変更し、現在では「福祉車両」を中心に取り扱う認証工場・特定整備工場を備える総合ディーラとなった。

 福祉車両を取扱うようになったのは、既にお客様であった医療法人に板金の依頼を受け、その代車として福祉車両を用意したことがきっかけとなる。様々なサポートをしてく中で、医療法人との取引が100社を超え、その従業員や家族との付き合いも増えた。話題となるのは、福祉車両業界は比較的販売が中心で、メンテナンスが手薄になっているという課題があった。2015年、日本福祉車輛協会に加盟し、同協会の「認定工場」を取得した。小野田社長は「特に福祉車両は「走る」「曲がる」「止まる」の基本性能は勿論、乗って「楽しく」さらにお客様の五感と心に響かなければならないもので、その為のお手伝いをさせて頂きたい」と話す。同協会の理事に就任後は、福祉車両を取り扱う中核となる人材を育て、福祉車両に統一的な基準を作り、業界を支援する事業を推進し、お互いに協力し合えるネットワークの構築を目指している。

 近年ではお客様の輪が広がることで、地域社会や環境に対して貢献をする機会も増えた。社員全員が動物好きということもあり、殺処分されるペットの保護活動にも携わる。当社でご購入いただいた金額から、1台に付き、3000円を寄付している。

 また、千葉のウィルチェア(車いす)ラクビーチーム「ライズ」の活動に協賛しオフィシャルパートナーとして、障がいを持つ人達との境界を乗り越えていく活動をサポートし、子供たちも交えたイベントの企画も行う。
同社は、創業以来、車を通じて「自由な移動と豊かな人生」をテーマとして活動してきた。社名である「AZファクトリー」は、アルファベットのAからZまでを「人生の最初から最後まで」とし、あらゆるシーンでお客様にまっすぐ寄り添い、信頼に応えることができる会社になるという想いが込められている。統計上、今後25年間は高齢化率が伸びることは間違いなく、福祉車両の需要は益々高くなる。こうした事態に備えて準備が必要、次世代の育成も含め、我々の技術も高めていかなくてはならない。(小野田社長)

③アップル四日市店(三重県四日市市)
ユーザーに寄り添った提案で販売台数増加
福祉車両を通じて地域社会に貢献する企業に

 アップルオートネットワーク(東京都中央区、長塚秀明社長)の運営する「アップル四日市南店」は、競合店の進出による競争激化が進む中、差別化を図ることを目的としながら、少子高齢化による需要の拡大を見据え、2021年1月より福祉車両の取り扱いを本格的に始めた。開始から半年以上経過した現在、認知度向上とユーザーに寄り添った店舗づくりを実践することで販売台数は確実に増加している。
■認知度を高めるためにある程度の在庫数は必要
 福祉車両の取り扱いを始めた当初は在庫数も少なく、問い合わせも少なかったが、市場での取り扱いが少ない福祉車両を数多く集めることで、「福祉車両取扱店舗」としての認知度が高まり、販売台数も増加していった。また、店舗に置ける在庫台数には限りがあるので、仕入車両の選定は悩んだが、近隣のデイサービスがタントのスローパーを多く使用していること、また、N―BOXプラスはスロープの収納が簡単で使い勝手が良く評判も良いことから、現在は軽スローパーを中心に在庫を揃えている。
■使用するユーザーに寄り添う提案が重要
 「福祉車両の販売は介護する人間、介護される人間それぞれの立場を考えることが大事」(塩竹睦郎店長)と話すように、通常の販売とは少し異なっている。そのために特に時間を掛けているのがヒアリングとなる。利用頻度や使用目的、車両購入にあたって必要な装備など徹底的に聞いたうえで提案を行う。実際に車両を提案する際に行っているのが、車椅子を使用したデモである。その為に店舗ではデモ用の車椅子を用意している。また、ユーザーが車両を検討する段階で、快適性など介護する側の目線で検討される場合があるので、車椅子で乗車した時の乗り心地など介護される側の立場になった提案を行うように心がけている。塩竹店長は店舗で福祉車両を取り扱うことが決定した段階で、日本福祉車輛協会が認定する「福祉車輛取扱士」の資格を取得。その時に研修で学んだ考え方が、現在、実践で生きている。
■福祉車両の販売とレンタカー事業で地域に貢献
 「今後は中古車の販売、買取りに加え、福祉車両を取り扱うことで、地域に根差した企業として、貢献をしていきたい。そのために、もっと福祉について勉強して知識を高めていく。また、2021年10月から福祉車両のレンタカー事業も予定している」(塩竹店長)

④オレンジ(広島市西区)
豊富な販売経験とノウハウで安定的に顧客拡大
メーカーに関わらず幅広い車種やタイプを網羅

 福祉車両専門店のオレンジ(広島市西区、新宮且識社長)は、2003年から福祉車両専門店に特化した営業を展開する。会社設立は00年で、設立当初は「買取り専門店」として営業を開始したものの「ニッチな市場だが、必要としている人たちがいる。当時、専門店が少なかった福祉車両の販売に特化した」(新宮社長)と福祉車両専門店を立ち上げたという。

 立ち上げ当時からの3年間は主に個人客中心の販売だったという。00年に「介護保険法」が施行されたことを受けて、デイサービス施設などが増加したことなどを受けて、こうした事業所への販売が増加したという。現在では全体の95%以上を法人ユーザーが占めるという。自社の強みを「メーカーに関係なく、幅広い福祉車両を提案できること。豊富な販売経験でノウハウを蓄積し、安定的に顧客基盤を拡大する。

 最近の傾向として「地域密着」の営業展開が加速しているという。「販売後のケアが一番大事な商品。手間のかかる商品で、保守サービスにおいても病院や施設に出向くことが多い。大手企業が入りづらい市場で、『唯一無二』の無くてはならないお店を目指している」(新宮社長)と地域に必要とされるお店を目指している。

 同社では福祉車両販売に特化した店舗運営を行う中で、福祉車両レンタカーを約30台保有する。自社で保有する代車やレンタカーをフル活用し、施設などからのサービス入庫の際にも用途などに合った1台を代車などで提供する。事業者向け販売の大半はリース契約が占めるという。「福祉車両は車両代替えのタイミングが重要。1施設で複数台所有するケースでは車両入替時期をずらして、施設の業務に支障のないようなサイクルを構築することが求められる」(城戸拓也専務)という。

 同社の特徴は福祉車両の新車・中古車販売からサービス(車検・点検、整備など)、保守サービス(車両装置のメンテナンス)などを一貫して行えること。営業スタッフもメーカーを問わず、幅広い商品知識を蓄積し、最良の「1台」を提案できる。最近では、コロナ禍が長期化する中で、自前の介護用車両を持ちたいという個人ユーザーも増えているという。ユーザーとの強い信頼関係で、紹介販売が多い。

 また、地元の介護タクシーの有志を集めたボランタリーチェン(VC)、「オレンジ介護タクシーグループ」も設立、介護タクシー事業者間の連携や情報交換の場を提供している。

【特集を振り返って】
 福祉車両販売、サービスなどを展開する販売店を取材すると、地域密着の営業展開の中で、高齢者や身体障害者の移動手段を確保することを社会的使命と捉えている販売店の姿があった。また、介護保険制度がスタートして急速に事業所数が増加、これに合わせて主にデイサービスなどの送迎用に使われる介護用車両のウエートが高い。電動の昇降機やスロープを備える車両のニーズが高く、こうした車両の車検や点検・整備入庫で車両を預かる際には、同様かそれに近い仕様の福祉車両の代車またはレンタカーが必要となる。毎日の送迎サービスに使われる車両なので、そのスケジュールに穴を空けられないという介護施設側の事情にもしっかりと対応しなければならない。

 また、販売店が主導した福祉車両ユーザー(主に介護施設職員など)への講習会開催や販売する側の資質向上のための「福祉車輌取扱士」制度など、健全な業界を築くための日本福祉車両協会の役割は大きい。先日閉幕した「東京パラリンピック」では多くのアスリートたちが感動を与えてくれた。こうした活躍の背景にも福祉車両業界が一役買っているという。


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