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事故による損傷リスクが最も高いといわれるフロントエリア。骨格部位への衝撃波及を疑ううえでフロントフェンダーの確認は欠かすことができません。それゆえ検査員もフロントフェンダーの状態確認は念入りに行います。
●取付ボルトがカバーで見えない!その対処法
ボンネットを開けた際、フロントフェンダーのフランジ部分がカバーで覆われているケースが多く見受けられます。ここにはご存じの通りフロントフェンダーの取付ボルトがあります。交換歴の有無を判断する基本的なポイントなのですが、カバーで覆われてしまっている光景を目にすると、『外すのが面倒くさい』という気持ちがどうしても強くなり、確認もいい加減になる傾向が見られます。さらに査定現場で躊躇なくカバーを外せるるシチュエーションは、そう多くありません。お客様が査定の光景を見学されていると外すのをためらうケースの方が多いのではないでしょうか。こうした状況を打破するには、別の場所にある取付ボルトを確認することが最適です。
査定現場で確認がしやすい取付ボルトは、
①フロントピラーとの取付部分
②ステップとの取付部分
③フロントフェンダーとの取付部分の3か所があります(画像①)。
①フロントピラーとの取付部分
フロントフェンダーが前方からの衝突によって後方へ押されてしまうと、フロントピラーとの取付部分に大きな負荷がかかります。その衝撃が大きくなるのと比例して、ピラー部分の損傷リスクも高くなりますので、取付ボルトの状態だけでなく、ピラー周辺に損傷が生じていないか?同時に確認することが重要です(画像②)。こちらもカバーで覆われている場合がありますが、ゴム製でめくりやすいものも多く、破損の心配もないので、おすすめのチェックポイントです。
②ステップとの取付部分
ボディ下部にサイドカバーが装着されていない車両の場合、フロントフェンダー下部にある取付ボルトを確認することができます(画像③赤丸)。 さらに耐衝撃性、そして弾力性に優れた【チッピング塗装】にも注目してみましょう。フロントフェンダーが交換されている場合、隣接するステップ、あるいは反対側のフロントフェンダーに施されたチッピング塗装と比べることで相違に気付けることがあります(画像③青矢印)。
③フロントインサイドパネルとの取付部分
フロントエリアの修復歴チェックにおける“スタート地点”的な場所です。フランジ部分がカバーで覆われている車両でも、できれば外して確認したいところです。なぜなら取付ボルトの状態だけでなく、フロントインサイドパネルとの接合部分(取付ステー)を確認できるからです(画像④)。ラジエータコアサポートやフロントインサイドパネル上面に取り付けられたステーは画像④のとおり華著で損傷しやすい構造になっています。
衝突時に発生する衝撃エネルギーは、フロントフェンダーから取付ステーを経由して骨格部分へと波及します。その為私達は、取付ステーの状態を重要視しています。
●その車両に最適な確認場所を見つける
検査員は、基礎知識として各部位の接合部分(溶接・ボルト・リベット問わず)の場所を熟知しています。これは“最も確認しやすい場所はどこか?”を瞬時に見出すために必要な情報です。カバーで覆われて確認できないのなら次にどう動けばよいのか。代替えの方法を多く習得することは検査業務の効率化にもつながるのです。
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