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【特集】自動車業界にも広がりをみせる S D Gs17のゴールと4つのメリットとは

コラム 2021年06月25日
参加することで企業イメージ向上などのメリットも

 世界各国で取り組みが広まっているSDGs。SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月の国連サミットで採択。国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げたよりよい世界を目指す国際目標となっている。近年、日本国内においても、自働車関連企業を始めとした多様な企業がSGDsに取り組みを積極的に推進、広がりを見せている。一方、SGDsを取り組むにあたり、SDGsそのものを知らない、また、聞いたことはあるが内容がよくわからないという問題点もある。今回の特集では、SDGSの成り立ちや、詳しい目標の内容、また自動車業界において既に取り組んでいる企業を紹介していく。

 SDGsは「17のゴール(目標)」とゴールをより具体化した「169のターゲット」で構成されている。

 17のゴールは、①貧困や飢餓、教育など未だに解決を見ない社会面の開発アジェンダ、②エネルギーや資源の有効活用、働き方の改善、不平等の解消などすべての国が持続可能な形で経済成長を目指す経済アジェンダ、そして③地球環境や気候変動など地球規模で取り組むべき環境アジェンダといった世界が直面する課題を網羅的に示しています。 SDGsは、これら社会、経済、環境の3側面から捉えることのできる17のゴールを、統合的に解決しながら持続可能なよりよい未来を築くことを目標としています。(外務省:持続可能な開発目標と日本の取組より)

 また、企業のSDGsへの取り組みも広がっているが、それには大きく分けて4つのメリットがある。1つめは「企業イメージの向上」。SDGsの意味や重要さが、浸透すればSDGsに取り組む企業へのイメージが良くなり、商品の購買やサービス利用にもつながる。2つめは「社会課題への対応」。活動を進めることで、社会課題の解決に貢献でき、社員の働きがいやモチベーションアップにもつながる。3つめは「生存戦略になる」。今後、SDGsに取り組まない企業との取引を避ける可能性がある。SDGsに取り組むことが企業の生存競争に生き残る術になる可能性がある。4つめは「事業機会の創出」。これまでつながりのなかった行政やNPOとの関わりが生まれる。さらに、投資家はSDGsに取り組む企業にお金を出資する傾向にあるので、資金が調達しやすくなる。このように、企業はSDGsへの取り組みに参加することで、社会貢献とともに様々なメリットを受けることが可能となる。


■SDGsを積極的に推進している団体・企業の取り組みを紹介

【ケース1】近距離モビリティを提案、全ての人の移動を楽しくスマートに(WHILL)
 
 WHILL(東京都品川区、杉江理社長)はSDGs支援の取組を通じ「人生100年時代」における自動車免許返納後の新しい移動手段を提案している。

 近距離モビリティ(自世代型電動車椅子)WHILLを取り扱う全国の自動車ディーラー16社とともに全ての人がより快適でより自由に移動できる未来の実現を目指す取り組みを6月1日より開始した。

 この取組は持続可能な開発目標(SDGs)で掲げる「目標3:すべての人に健康と福祉を」などに沿うものとなっており、購入者への特典やレンタルの際の特典などを設けている。

 高齢者の中には免許返納を検討していても、自動車が生活の足であることから踏み切れないという声も多く、家族からも運転を続けることへの心配がある一方、移動手段が限定されることへの懸念から勧めにくいという。免許返納という機会を、新しいライフスタイルとの出会いというポジティブな機会に変え、家族からこれまでの運転への感謝を伝える機会を提供するとともに、近距離モビリティという、免許不要で高齢者も簡単に利用できる新しい移動手段を提案する。

 移動手段の選択肢を増やすことで、返納後の引きこもりの防止やQOL(生活の質)の向上にも役立つことも期待される。

 同社はSDGsの「目標3」以外にも3つのゴールに取り組んでいる。 「目標8:働きがいも経済成長も」WHILLは、高い走破性や安定性を誇るため、自由で気軽な外出を実現している。高齢者や歩行に困難を抱える人の行動範囲が広がることで、さまざまな交流やつながりを創出する。

 「目標11:住み続けられるまちづくりを」障害の有無や年齢に関わらず、だれもが楽しく安全に乗れる一人乗りのモビリティによる移動サービス・システムの提供により、既存の交通機関を降りてから目的地までの「ラストワンマイル」の移動インフラの構築を進めている。

 「目標13:気候変動に具体的な対策を」電動で走行するWHILLは、地球温暖化の原因となる炭素を排出しないエコなモビリティ。ゼロ排出の乗り物を開発・販売することにより、気候変動対策に貢献する。

 同社は「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションとして、障害の有無や年齢に関わらず、だれもが楽しく安全に乗れる一人乗りのモビリティによる移動サービス・システムの提供により、既存の交通機関を降りてから目的地までの「ラストワンマイル」の移動の最適化を行っている。


【ケース2】自分のフィールドで出来ることをやり続けること、お客様の喜びと私達の喜び、そして社会に資することの一致を追求(しのぶや)
  
 しのぶや(栃木県那須町、小林信夫代表)は7拠点を構え、自動車販売業や「廃車王」による車買取、鈑金整備にリユース部品の生産や流通にと自動車関連事業を幅広く展開している。

 同社は持続可能な開発目標(SDGs)に積極的に取組んでいる。SDGs達成に向けた具体的な取組の43項目を満たし外務省認定はもとより「とちぎSDGs推進企業」にも登録するなど、その活動は広く認められている。

 同社は5つの取組を通じて9項目のSDGs目標に取り組んでいる。5つの内容は「自動車リサイクル」「自動車リサイクル部品を流通拡大させることによるCO2排出量削減」「エネルギー」「働きやすい企業、働ける企業であることを永遠のテーマとし、女性の活躍を推進」「環境にやさしい自動車鈑金塗装の実施」。

 「自動車リサイクル」では使用済自動車からゴミの排出を最大限削減するリサイクルを実施し、年間3万点の自動車リサイクル部品の生産、年間1.5tのフロンガス回収等を行っている。

 「自動車リサイクル部品を流通拡大させることによるCO2排出量削減」では2020年度CO2削減実績は53万2622㎏となり新品部品製造時と自動車リサイクル部品への商品化の際に排出するCO2の値の差が増えるよう取組んでいる。

 「エネルギー」では発電時にCO2を排出しない水力発電所のとちぎふるさと電気の使用と太陽光発電による電力会社への電気供給で脱炭素化100%以上を達成。

 「働きやすい企業、働ける企業であることを永遠のテーマとし、女性の活躍を推進」は女性活躍推進とともに安定雇用促進に努めている。

 「環境にやさしい自動車鈑金塗装の実施」は鈑金塗装で有機化合物の低減、CO2を削減できる水性塗料を採用。人体と環境にやさしい塗料を使い、働く人の健康と環境保全に努めている。

 「SDGs目標達成に向け、意識はするが特別なことに取組んでいる訳ではない。当たり前のことを当たり前にやっているだけ。働く人、社会のためにできることをやっていくということであり、その中で自分たちに何ができるかということ。既に取組んでいたこと」(内田取締役)。

 小林代表の長男、令於氏は「平成12年のNGP入会がターニングポイントだ。『NGPに入会していなければ今のしのぶやはない』と代表は断言している」と話す。現在、しのぶやのNGP代表を務めている生澤取締役は「NGPで学んだ会長の下で経営理念を学んだ。事業において利益を出すことが大事であり、利益を出すことで初めて社会に還元できる。しのぶやの経営理念は『お客様の喜びと私達の喜び、そして社会に資することの一致を追求します。』であり、お客様と社員の喜びが、社会の役に立てるよう追及している。NGPはSDGs宣言し、組合員も積極的に取組んでいる。大事なのは自分のフィールドで出来ることをやり続けること。しのぶやは、SDGsの理念や目標に賛同し、継続して出来ることが少しでも増えるよう考え行動していく」と話した。


【ケース3】SDGs宣言を通じて積極的な社会貢献、今後も地元密着の経営を続ける(ガレージハタ)

 ガレージハタ(愛知県半田市、畠勇策社長)は国産車中古車の販売を中心とした「ガレージハタ本店」、「ダイハツグランドピット河和店」、輸入車専門店「チャビーオート」の3店舗を構え、総在庫は約200台を保有。創業から約40年が経ち、街の自動車販売店として地元にしっかりと根付いてきている。

 同社がSDGs宣言をしたのは、そのような地元密着の経営が大きく影響をしている。宣言を行ったのは今年の3月。店内のポスター設置やホームページへの掲示をすることで、宣言の「見える化」を行った。

 取組は大きく分類すると4項目を設定。「人を大切にした経営」、「地域貢献活動」、「環境保全に対する取り組み」、「選ばれるサービス」になる。この取り組みについては、宣言を行う前から、同社では実施していたが、SDGs宣言として具現化したことで、スタッフの意識は大きく変化した。家田茂店長は「今までは、社会貢献活動と意識せずに当たり前のように行っていたが、SGDs宣言をしたことで、スタッフ1人1人が社会や地域に対して責任感を感じるようになった。宣言を行ったことで目的意識が高まったことが特に大きい」と話している。

 4つに分類された項目については具体的な取り組みが明記されている。例を挙げると、「人を大切にした経営」では、「弊社に関わる全ての人を大切にし、あらゆる年代の人が活躍でき、働きやすい職場環境づくりに努めてまいります」という考え方のもと、「20代~60代まであらゆる年代の人が活躍できる職場体制」、「みなし残業制度の導入」、など3項目を具体的に取り組んでいる。また、「地域貢献活動」では、「地域との絆を大切にした経営を行い地元経済の活性化と持続可能な社会の実現に貢献してまいります」という考え方のもと、「職場体験を通じた地元学生との交流」、「地元小学校への自動車の寄贈」、「地域の公衆衛生維持に向けた取り組み」など4項目を取り組んでいる。残りの「環境保全に対する取り組み」、「選ばれるサービス」についても、地域社会との関わりを持ちながら、社会貢献を意識した内容になっている。

 今後について家田店長は「SDGs宣言を行ったことで、地元密着の重要性を改めて感じた。宣言の取り組み内容は今まで行っていることではあるが、今まで以上に、地元と取り巻く社会に貢献できるよう取り組んでいきたい」と話した。


【ケース4】今年5月、地元地銀の支援で「SDGs宣言」策定、高い環境意識や地域社会への貢献を改めて具体化(アイシン自動車)

 愛媛県松山市のアイシン自動車(森岡淳社長)は、国産車から輸入車まで幅広く対応した車検・整備や新車・中古車販売、鈑金・塗装などを幅広く手がける老舗。約5年前からはキャンピングカー販売も手がけ、クルマを通じたライフスタイルを提案する。同社が「SDGs宣言」を行ったのは今年5月。地元地銀の支援もあり、SDGsの達成に向けた自社独自取り組みを策定した。同社が策定した「SDGs宣言」は大きく分けて4項目。

⓵環境問題への取り組み
 同社では以前から環境に配慮したエコ整備や省エネルギーの取り組みを実践している。とりわけ今回の宣言策定では、不必要な部品交換や整備の削減、低燃費車の販売、環境に優しいエコ部品の使用、ハイブリッド車専用のスキャンツール導入などを具体的な取り組みに掲げる。元々高い環境意識で取り組む同社では、特定整備認証への対応にも早期から取り組む。

⓶働きがいのある職場作り
 社員全員がやりがいを感じられる職場作りとユーザーに究極のサービスを提供するべく、スタッフのスキルアップなどにも全力でサポートする。具体的取り組みは、労災に対する手厚いサポートはもちろん、会社負担による社員の資格取得支援、有給休暇の積極取得推奨などが挙げられる。コロナ禍で今後ワクチン接種の推進などが急がれる中で「ワクチン休暇」なども検討しているという。

⓷ユーザーの味方として
 ユーザーの愛車をフルサポートすることで、感動をプレゼントするという同社のコンセプト。社員全員がユーザーに向き合い、フルサポートする。具体的には国土交通省指定の車検ライン工場として厳格な車検整備を行うほか、「JU適正販売店」として厳選した高品質中古車を販売、最新の知識や高い技術、豊富な経験でフルサポートする。

④地域密着
 地元での人材採用や「四国八十八箇所巡礼」をテーマにした軽四キャンピングカーの取り扱いなどで地域・文化貢献活動を展開する。地域イベントへの参加、近隣地域の継続的な清掃活動などが挙げられる。

 森岡社長は「自社の『SDGs宣言』をどんどんアピールしていきたい。17項目のすべてに取り組むことは難しいが、自社にできる限りの取り組みを推進したい。次世代の『クルマ』をつなげる意味でも原点に立ち返って『クルマ』の素晴らしさをユーザーに伝えていくことも重要」とユーザーと向き合う姿勢を示す。


■日頃取り組んでいることがSGDsにつながっている

 今回特集として紹介したSDGsは冒頭にもあるように約6年前からスタートした取り組みで、2015年の国連サミットで採択され、日本国内の団体、企業がこの6年間で取り組みを開始した。しかし、この記事を読んでいる読者の皆様を含め、世間一般的には、まだ身近な取り組みと感じている人はそう多くはないかもしれない。それは、テレビやインターネット、新聞などでSDGsの文字を見たり、聞いたりするものの、自分の所属する団体、企業で取り組んでいないことが原因ではないか。

 今回取材を行った4件の中で、SGDsの宣言をする前から同様の取り組みを行っていたケースが見受けられる。SGDsの取り組みというと仰々しく感じられるかもしれないが、日頃行っていることが、実はSGDsの取り組みに即していることも多々ある。大事なのはSDGsの宣言を行うことではなく、豊かで活力ある未来を創るために、自分たちができることを継続して行うこと。その結果が身近な取り組みとなる。

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4、4.5点

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