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最近マレーシアの自動車中古部品の市場に変化の波が押し寄せてきている。情報の量とスピードが変化し、新しいビジネスモデルと流通改革が必要なように感じる。
現在のマレーシアはアセアン最大の自動車中古部品の集積地であり再輸出国だ。中古部品の多くは日本から輸入される。マレーシアに集約された後、世界各国へ再輸出される。マレーシアが大きな再輸出拠点としてのハブになっている理由は、アフリカや中東なの中間に位置している地理的要因があげられる。更にアジアの中でのムスリム(イスラム教徒)国といった理由も大きい。アフリカや中東に住むムスリムにとって文化理解やモスクなどの礼拝堂、そしてハラルと言われる食事などに不自由なく取引できることは重要だ。
マレーシア自動車リサイクル協会(MAARA)のデータによれば、マレーシアに集まる自動車中古部品の80%以上が日本からの輸入。ハーフカット、ノーズカットでの輸入も多いが、中古エンジンが主要な商品となっている。他にも変換機、オルタネータ、スタータの需要は高い。日本からの中古部品が人気ある理由は、日本の中古部品は低走行、少ない使用年数により高品質だからだ。日本での引き渡し時から1.5~3倍程度で販売される。マレーシアに入ってきた中古部品全体のうち20%ほどはマレーシア国内で流通する。それ以外の80%は海外へは販売される。しかし、日本からの中古部品市場が縮小している。日本の中古部品が減ってきており、中古部品の発生源が日本だけでなくなってきているためだ。日本ではHV(ハイブリッド)車などが売れ筋となってきている。また、軽自動車の保有台数も増加。日本からの輸入される中古部品と世界で求められる中古部品需要とにギャップが生まれてきた。変化がある市場は常にビジネスのチャンスの宝庫だ。マレーシアの中古部品市場は、グローバルな視点で、ビジネスモデルと流通を再構築するタイミングに来ている。
<川崎大輔 プロフィール>
大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより自らを「日本とアジアの架け橋代行人」と称し合同会社アセアンプラスコンサルティング にてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。2017年に株式会社アセアンカービジネスキャリアを立ち上げアセアン各国からの外国人整備エンジニアを日本企業へご紹介。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。
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