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NAK(日本オートオークション協議会・荒井寿一会長)は10月25日から31日までの日程で、サンフランシスコならびにラスベガスの中古車流通市場を視察した。今回の視察は、オークション会場の代表者、NAK関係者、マスコミなど15名が参加した。現地では、日本貿易振興機構(JETRO)サンフランシスコ事務所を訪問し、担当者とブリーフィングを行ったほか、米国最大の中古車オークショングループであるCOXファミリーのマンハイムオークション(Manheim NEVADA)、カリフォルニア州最大のトヨタディーラーであるシティトヨタ(CITY TOYOTA)を視察訪問した。
【サンフランシスコ・ベイエリアの経済状況とビジネス環境について】
カリフォルニア州は全米最大、世界第6位の経済規模を誇り、GDPは約2兆5622億ドル(日本円で約292兆908億円)である。中でもサンフランシスコ・ベイエリアは大変好景気で、人・物・金すべてが集まり活況を呈している。同州の面積は約40万平方キロメートルで日本列島と同程度、人口は3925万人で日本の約3分の1程度である。一人あたりの個人所得は約8万ドル(約912万円)で、シリコンバレーが拡がるベイエリアの一部では日本円で2000万円を超える平均年収という高所得者が多く、高付加価値なサービスや商品にお金をかける地域性である。また、海外から人材が集まりやすいエリアで、インドや中国を中心としたアジア人が多いのも特徴といえる。シリコンバレーやサンフランシスコ・ベイエリアの起業環境は世界一と言われ、ベンチャーキャピタルや個人資産で投資を行うエンジェル投資家が多く、M&Aの対象となる企業も多い。但し、企業進出のハードルとしては人件費や賃料が年々高騰しており、ハイリスク・ハイリターンの地域ともいえる。
同エリアに進出している日本企業はユニクロや無印良品、JINS、DAISOなど770社存在し、営業利益の前年度比は全体の45%が増益、42%が横ばいと概ね順調に推移している。
【米国最大の中古車オークションの現状】
米国最大の中古車オークショングループであるCOXファミリーのマンハイムオークションは、アメリカ合衆国ネバダ州のラスベガスに位置し、敷地面積は330エーカー(約40万坪)の広大な会場である。会場内の電気は100%ソーラーパワーで賄うなどの工夫も行われている。オークションは一週間に3回、12レーンの手ぜり形式(オンラインでの参加も可能)で開催曜日毎に出品100台~2400台、約70%が成約されている。
特徴としては、出品車のコンディションレポートに過去の事故歴や整備履歴など全て記載されており、メーター交換歴のある車も数多く出品されるが、COXファミリー傘下のCARFAXなどの活用によりクレームは少ない。2年ほど前から、専用システムに車の製造番号を入力すると、過去の流通経路や事故・整備履歴などが全てわかるようになり、バイヤーは事前にインターネットを経由して情報収集できる仕組みとなっている。
【米国の中古車マーケット事情について】
カリフォルニア州最大のトヨタディーラーであるシティトヨタはサンフランシスコ半島の中ほどにあるデイリーシティという都市に位置しており、トヨタ車を中心に毎月500台をコンスタントに販売するビッグディーラーである。販売台数の内訳は、新車350台、中古車150台で、その他に毎月5000件の修理・メンテナンスと150台のレンタカー事業を行っている。同州は様々な国の人種がいるため、セールスは7カ国の言語に対応できるスタッフが在籍している。35名のセールスは新車・中古車の両方を販売しているが、経験を積んだ約2割のスタッフが中古車全体の75%を販売している。 中古車の仕入れは、オークション・下取り・リースアップがそれぞれ3分の1ずつとなっており、常時150台を在庫し、最大在庫日数は60日間で、売れなかった車はすべてオークションに出品している。
同州で消費者が車を購入する場合、消費税9%と陸運局への登録料2%がかかるため、中古車についてはCtoCの個人間取引がマーケット全体の約70%を占めるという。但し、個人間取引だとローンが組めないため、ディーラーでの売買ニーズは存在している。また、純正部品などを豊富に在庫していることもディーラーならではのカスタマーサービスに繋がっている。
【視察を終えて】
中古車流通において個人間取引が主流となっている米国だが、その取引の大半が年式の古い車であった。一方で、高付加価値な商品・サービスを求める人に対してはBtoCというマーケットが確かに存在し、そういったサービスを提供できる企業は輝きを放っていた。
日本でも2019年に消費税増税が予定されているが、消費者に対して新しい価値を提供できれば、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性が大いにあることを今回の視察を通じて垣間見た気がする。(取材レポート・松沢章博)
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