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6月5日にクルマ売却アプリ「DMM AUTO」を発表したDMM.com(東京都港区・最高経営責任者片桐孝憲)。「DMM AUTO」は、査定から売却まで、スマホのみで完結するクルマ買取業界初のサービスとして注目を集めている。「DMM AUTO」によるクルマ査定は、所要時間わずか3分。また、24時間365日、場所や時間を問わず、人工知能(AI)を使った売却最適価格を提示するというもの。
今回、その「DMM AUTO」のクルマ売却アプリを実際に利用体験するとともに、「DMM.comだからこそできるサービス」と語り、同社初の事業部長として同事業を推進するDMM AUTO事業部・西小倉里香事業部長とマーケティング部広報・長瀬七夕さんに話を聞いた。(齊藤寛英)
■査定は写真3枚、3分足らずで売却金額提示
まずは、「DMM AUTO」売却アプリによる査定体験から。同アプリを起動し、フロントナンバープレートが映る角度で右斜めまたは左斜めからボディーを1枚撮影。続いて、走行キロメーターを撮影し、最後に車検証を撮影。この3枚の写真でクルマ査定が完了。車検証の撮影では、QRコードの読み取りはもちろん、初度登録年月や型式も自動的に読み取り、車両を特定。数秒後には売却価格と3ヶ月後までの価格予測が提示された。ここまでの所要時間は、3分も掛からないほど。事前に流れを把握し、車検証を準備していれば、さらに時間の短縮も見込める内容であった。
売却価格は、写真3枚の査定でありながら、走行12万キロ超・外装減点を加味すると妥当と言える金額であった。
また、メールアドレスや電話番号等の個人を特定できる個人情報の入力は一切なく、査定時に撮影したナンバープレートや車検証の名義人の利用も無い。従って、後から「DMM AUTO」からの連絡等は、一切無いという、今までのクルマ買取とは大きく異なるものであった。
仮にクルマ売却金額に同意した場合、車両は「DMM AUTO」がユーザー指定の場所に引き取りに行き、ユーザーは書類を郵送するだけで完結する。
売却金額に同意し、引き取られたクルマは、DMM AUTOが買取。「DMM AUTO」は、オークションや業販を利用し、売却益を得るビジネスモデルとなっている。
■クルマの価値を知る喜びに
ここで気になったのは、「DMM AUTO」による売却提示金額を一つの目安として他の買取店舗を訪問するユーザーが出てくるのではということ。このことを西小倉事業部長に尋ね、返ってきた答えは「それは当社のサービスを利用いただいたお客様の自由。お客様は自分の車両の価値を基本的には知らない。当社のサービスを利用し、その価値を知っていただくだけでもお客様には喜んでいただけるサービス。その結果、ユーザーがクルマ買取を積極的に利用し、業界が賑わえば良い」というものであった。
「一般的にクルマの価値を知っている人は少ない。自分のクルマの価値を知っておくのも重要。クルマは資産であり、価値を知っておくことは大切」(長瀬さん)。
実際に、サービス開始から1週間経たないうちに買取実績も挙がっている。「DMM AUTO」を利用し、クルマを売却した一人である70代ユーザーからは、「使い方と結果に満足した」との高評価をいただいているとのこと。
同アプリ開発にあたり、西小倉事業部長は「使いやすいインターフェイスを意識した。簡単に利用でき、車を所有する皆様の役に立てることが大切」と語る。実際に、同アプリのわかりやすさと査定の簡単な流れは、使い手を選ばない誰でも気軽に利用できるサービスと感じた。
■時間と実績の積み重ねがより高い精度に
「DMM AUTO」は売却金額の算出にAIを使用し、相場を解析。一般的な中古車相場に加え、DMM.comが手掛けている金融サービスや株価分析等で使用しているAIを売却金額データベースの構築に活用している。また、テレビ番組で話題になった車など、様々な視点で捉えたロジックや要因を加味し、金額を算出している。
「DMM.comにはAI事業部もあり、他のサービスにAIを利用できる汎用性の高さは、当社の強み。月日、件数を重ねるごとにデータの精度もより高まる。今は対人による買取がほぼ100%だが、その中で当社のような効率を重視したサービスがあっても良いと考えている」(西小倉事業部長)
■未来のカーサイクルを目指して
西小倉事業部長は、「DMM AUTO」のミッションは「『クルマをライフスタイルに合わせて気軽に乗り換える』という価値を世の中に提供していくこと」。開発の背景についても「『DMM AUTO』は、業界活性化とユーザーの手助けが目的。今までは店舗に持っていくか、一括査定もしくは簡易査定によるおおよその金額提示しかなかった。私たちは、写真を撮るだけで正確な売却金額、ユーザーが納得する売却金額を提示し、スマホだけで車を売却できる選択肢を提供したいと考えた。以前はクルマ売却する際に、雑誌や電話がその手段であったが、PCへと移り、今ではスマホで何でもできる環境になった。その流れの中で、ストレスなく簡単にクルマを売却できるスマホサービスを提供したいと思った。IT業界はユーザーファーストのプロダクト思考が根付いている。その思考をクルマ買取で活かしたい」としている。
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