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ミニバンの査定は慣れているのに、形状が似ているワンボックス車のチェックは苦手な方が増えています。ミニバン・SUVが全盛の今、ボンネットが『開かない』仕様のワンボックス車を査定する機会は減少しています。査定機会が少ないとどうしても【苦手意識】を抱いてしまうのは輸入車の査定と相通じるものがあります。 そこで今回から数回に分けてワンボックス車についてご紹介してまいります。
【ミニバンよりもシンプル、そして確認しやすい車体構造】
ミニバンと大きく異なるのがフロントエリアのボディ構造です。客室の前方にエンジンルームという『箱』が存在するミニバンに対し、ワンボックス車はフロントパネル(画像A赤部分)と呼ばれる溶接留めされた外板が車外と客室を遮断しているだけです。独立したエンジンルームやトランクルームが無く、客室という1つの箱だけで構成されたモデル。これが【ワンボックス】と呼ばれる所以です。
トヨタ・ハイエース(200系)は、一見するとワンボックス車のようですが、衝突安全性を向上させる為、フロント部を延長しクラッシャブルゾーンを設けています。小さなボンネットが付いており空間自体は狭いのですが箱が追加されているので『1・5ボックス車』扱いとなります。ひとつの箱だけで構成されているワンボックス車は、クラッシャブルゾーンが狭い為、骨格部位への衝撃波及危険度は高いといえます。
実際に弊社が持つ検査データを集計した結果、ワンボックス車の代表格である日産・キャラバン(E25系)の修復歴発生率は57.2%という結果が出ています。商用車という特性上、一般乗用車と比べると乱暴に運転される機会が多いのですが、これは驚くべき数字といえるでしょう。
ではいかにしてチェックすればよいか。もう少しフロントエリアを観察してみましょう。画像Bは、日産・キャラバンのフロントエリアの修理風景です。フロントパネルが外されていますが、ヘッドライト取り付け位置の高さ付近でフロアパネルと溶接されていたのが確認できます(赤点線部)。また、フロアの下にサイドメンバーがバンパー取り付け位置付近まで伸びていることが確認できます(青丸内)。
【要注意エリアは2つ】
どんな形状の車でもフロントエリアの修復歴チェックは、『バンパーやヘッドライト裏付近にある骨格エリア』を必ず見ることが鉄則。ワンボックス車も同様です。そして前面を覆っている外板部位はフロントパネルとフロントバンパーのふたつ。これらの外板部位を介して骨格部位へ波及するので、確認すべき場所は次のエリアに絞り込めます。
①フロントクロスメンバー(画像C緑部分)
②フロアパネル先端部(画像Cピンク部分)
この2か所がフロントの“要所”となります。
(次回へ続く)
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