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今年も台風シーズンが到来しました。この時期の査定検査ほど辛いものはありません。大雨・猛暑により天気が良くても悪くても車をチェックするのはひと苦労。そんな夏だからこそ特に注意したいのが冠水車(水没車)です。すぐに出回ることは稀ですが、修理された車両が後々中古車流通に戻ってくる恐れがあります。日頃どのようなポイントに注意しなければならないか。をここでご紹介します。
◆そもそも冠水車とは
冠水車の定義としては、【台風や大雨等により室内床(センターフロアパネル)より上まで水に浸かってしまった車両】となります。修復歴車と同様、冠水したばかりの【現状車】であれば、その判定は難しくありません。(写真①)しかし、被害箇所を修理した【仕上げ済み車両】となると、判断は格段に難しくなります。オークション会場をはじめとする各中古車取扱い機関でも、定量的な基準は存在せず、
・浸水場所
・浸水レベル(高さ・広さ)
・浸水要因
・水質(主に泥水)
等を車体に残された痕跡から推測したうえで、個別に判定されているのが現状です。
◆査定時はここに注意
冠水車特有のダメージを起こす主な要因は【泥水】によるものです。泥水に含まれる微粒子の泥は、車の各部品やボディの隙間から内部へ侵入してしまいます。冠水の痕跡を車から消すには、この微粒子の泥を各部品から除去しなければなりません。しかし、室内のシート・フロアカーペット・シートベルト等、繊維・スポンジ素材でできている内装品に泥水が浸かると、表面生地だけなく、スポンジ内部にまで泥が侵入してしまいます。表面生地だけをルームクリーニングで綺麗にしたり、ヒーターで乾燥させても、内部残留した微粒子を除去することは困難です。結果として冠水特有の症状が後々発生するようになります。
【疑うべき症状】
①悪臭=下水臭・水が腐ったような臭いがする。室内温度が高くなる夏は特に強い臭いを発する。
②結露=シート内部に残留した水分が蒸発して窓内側に付着する。(写真②)
③不自然な場所のシミ=シートベルトをたぐると浸水した高さ付近に泥染みが残っていたりします。(写真③)
④金属部品に発生した錆=シート座面裏のスプリングや、シートレール等に室内の湿気で錆が発生したりします。
⑤電装系の不具合=ヒューズボックス内、トランクオープナー等の電磁スイッチ、キーレス等の電装系の故障が発生しやすくなります。
◆普段からの心掛けが大切
査定現場では、地域・季節によって冠水車両への注意力に温度差が生じてるのが現状です。しかし、インターネットにより中古車流通は“地域限定”から“全国規模”へと拡大しています。また現在は、あらゆる地域で局地的豪雨により冠水車が発生する時代。それでも流通量は、修復歴車と比較したら圧倒的に少ない為、日常査定で冠水を意識した確認を行う方はごく僅かです。車内の異臭やシートのステッチ部分の砂、車内に発生している錆(写真④)等の小さなヒントを見つけた場合には【冠水車かもしれない】という疑いを持てるよう日頃から心掛けてください。冒頭でも申し上げたように冠水の判定は、一カ所の状態だけではなく、複数箇所の状態を基に総合的な判定をしなければなりません。車全体の各所を確認することが必要なことも覚えておきましょう。
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