中古車輸出事業者の現状と課題 - グーネット自動車流通

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中古車輸出事業者の現状と課題

企業・団体 2016年06月21日
株式会社E-BRIDGE(代表取締 大橋冬命)
会社名:E-BRIDGE
中古車輸出セミナー開催風景

中古車輸出セミナー開催風景

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 2016年3月末までの日本からの中古車輸出台数は、前年対比で約94%の27万7348台となっている。世界全体で見ると昨年に比べて輸出台数が減っている国が多い。特にスリランカ、ロシア、東アフリカ諸国は昨年よりも輸出台数が減少しており、これらの国で人気がある車両の日本国内のオークション落札価格にも影響が出ている。

 交通インフラが日本のように整備されている国は少ないため、海外の多くの国でクルマは、生活必需品である。発展途上国のように人口が年々増加している国では労働人口も多く、これからますます良質な日本の中古車が求められることは間違いない。ただし、海外で日本の中古車の需要が増加する予測ができる一方で、日本国内で中古車を発生させるための買い替えのサイクルを改善することは上手く出来ていない。日本国内のユーザーがクルマを買いやすい、または買い替えやすい環境を作っていくことが求められる。

 国によって輸入の年式規制や人気車種の傾向が異なるため、海外の主要マーケットの商流やトレンド・流通価格を把握することにより、日本国内のユーザーが保有する自動車の資産価値を今よりも向上させて、少しでもユーザーが買い替えやすい環境を作り、日本国内の自動車マーケットを好転させることに役立てればと考える。

 この回では、日本から世界各国に中古車を輸出販売している輸出業者の現状をお伝えしていきたい。輸出業者というとパキスタン人やインド人の方の企業が目にとまりやすい。彼らの多くは親族が多く、なかには、100名を超える人数で構成されるファミリービジネスも存在する。輸出業を行う上での彼らの強みは、海外の現地に拠点を設けて、親族を送り込み、親族の絆から生まれる信頼で「お金」と「クルマ(資産)」の管理を任せて、現地販売している点にある。今年に入って輸出台数のトップに立っているアラブ首長国連邦(以下、UAE)でも、日本で仕入れをする役割と、UAEで車両販売する役割に分かれて商売をするパキスタンやインドの企業は非常に多い。

 日本企業の輸出業者は、現地拠点を出して展開する企業も少しずつ増えてきているが、まだ企業数で考えると少数派である。そこには「拠点開設にかかるコスト」「信頼してお金を管理させられる人間」「現地で販売できる営業マンの確保」という3つの大きな課題がある。そのため、海外のバイヤーを開拓してBtoBのスタイルで輸出業を行う企業が多い。集客の方法も様々である。海外出張してバイヤーを営業で回って新規顧客を開拓することが一般的な方法の一つであったが、10年ほど前からインターネットで集客する方法も出てきた。海外でクルマを買いたいと思っているバイヤーやブローカー、エンドユーザーと出会える可能性がより一層広がっている。中古車輸出ビジネスをやりやすく、また、今まで取引できなかった国のバイヤーと取引できる可能性を生んでくれるインターネットの利便性は非常に高いが、その一方で競争が激化したことも事実である。月間1万台を超える輸出台数にまで急成長した輸出業者も出現したため、価格競争に勝てずに国内小売りや買取業にシフトする輸出業者も増えているが、廃業する中堅や中小の輸出業者も出てきている。

 ただ、先にも述べたとおり、国によって輸入規制も人気車種も異なるため、マーケットや車種、サービスに変化をつけることにより、大手輸出業者と差別化を図れる可能性が残っている。中古車輸出未経験の企業でも、すでに輸出を行っている企業でもまだまだ中古車輸出というフィールドで収益を出していくチャンスがある。

 当社では、数社、中古車輸出の手伝いをしており、各企業が持つ強みを生かしながら、今まで出せなかった成果を出すことが出来てきている。4月にはニュージーランド(以下、NZ)向け中古車輸出セミナーも他企業と協賛で開催した。多くの企業に参加いただき、2018年のオーストラリア市場開放の可能性を見据えたNZでのビジネス展開のサポートも行っている。これからの中古車輸出業を考えたときに、外国人留学生や外国人労働者の増加は見逃せない。事実、日本で技術を習得して自国に帰ってビジネスがしたいという外国人も増えており、整備士見習いで雇用する企業も増えてきている。インターネットがビジネスの環境を変えて躍進する企業が出てきたが、こういったアナログな動きは確実に輸出業界に新たな変化をもたらし、活性化されると考えられる。



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【対象評価点】

4、4.5点

【抽出価格条件】

直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること