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中古車売買において欠かすことができない査定業務。その査定において普段どのようなところに注意して車をチェックしていますか。
「修復歴がないか」、「走行距離が怪しくないか」、「自社で小売りできる品質か」
「車」によって、「時期」によって、そして「目的」によってそれぞれこだわりをお持ちだと思いますが、一度ご自身の査定スタイルを振り返ってみませんか。ここでは「品質鑑定」の視点から査定に役立つ情報を今後お伝えしてきます。業務経験が長いベテランの方は復習も兼ねて、新たに業務を始められる方は基礎を学ぶつもりで読んでいただければ幸いです。
◆その情報の使い道は
中古車はご存じのとおり「一物一価」と呼ばれる商品で、同じコンディションの車は存在しないと言われています。
この商品特性を持つからこそ査定業務は確認する項目が多くなってしまいます。車名やグレード、そして型式等の「諸元項目」を車検証から査定票に転記するのも大事な作業ですし、ボディ状態のチェック(傷やへこみ、修理跡)を行うのも重要です。
本来であればその車の情報を全て網羅できれば理想的なのですが、知りたい情報が増えるほど時間と手間もかかってしまいます。
下取査定、買取査定、あるいは入庫チェック、オークションの出品検査の現場は、常に“時間との闘い”「お客様を待たせない」、「オークションのクレーム期間内に間に合わせないといけない」、「明日のセリに間に合わせなければいけない」。
目的や業務は違えども皆様も私達も常に“時間”と闘っているわけです。
◆なぜその車をチェックするのか
その限られた時間で必要な情報を摘出する為には、まず目的が何かを明確にしてみましょう。
目的をはっきりさせることで確認項目に“優先順位”をつけるわけです。
例えば、
①オークション相場が200万円前後の高年式低走行車A
②オークション相場が5万円前後の低年式過走行車Bと、2台の下取り査定(買取査定)をする場合、皆様は“修復歴の有無”を確認するのにどの程度時間を費やしていますか。
Aの場合、見落とした際の損失が怖いので、慎重にチェックする方が多いはずです。それに対してBの場合、「修復歴の有無」によって価値がほとんど変わらないということで、さほど時間をかけていないのではないでしょうか。これは目的が“査定(値付け)”であり、査定額に影響がなければ優先順位が低くなってしまうのは当然といえます。
しかし、オークション会場の出品検査でこの考えは通用しません。当然のことですが、AもBも“修復歴の有無”をしっかり判定し評価点を付与します。それは目的が“バイヤーの為に信頼できる車両情報を提供”することだからです。
◆よくある事例
実際査定現場ではどうでしょうか。
私達が販売店を訪問検査した際、【修復歴無し】の申告があったにもかかわらず、依頼車両に修復歴箇所を発見してしまう機会があります。その多くはお客様の下取り車で、「販売した車の下取りだったので、あまり見ていなかった」と、おっしゃるケース、実はよく耳にします。残念ですが、これでは「適正な価格の算出」だけでなく「小売りできるか否か?」の確認もできていないことになります。上物を販売することに専念してしまった結果といえます。赤字を免れても、「期待したほどの利益は得られなかった」とあれば、それは損失であることに違いがありません。いかに目的を理解して車の確認ができているか。ここがポイントです。
◆その確認方法は正確ですか
目的が決まれば次は【確認方法】です。
例えば車検証や整備記録等の帳票類を査定票に転記するのにさほど難しいところはありません。
しかし、車体の確認方法については、お店の先輩から最初に教わるものが、ご自身の【査定検査スタイル】となっていきます。 査定が得意な先輩から教わることができるか。査定で困った際に教えてもらえる先輩はいるか。こうした店舗環境により、査定技能は大きく変わってしまいます。
“自分のやり方は間違っていないか”そう不安に思われている方も多いかと思います。そこで修復歴チェックの定番ポイントである「取付けボルトの回し跡」について、正しく認識されているか問題を用意してみました。
画像①・②、それぞれボルトの状態を見て、回し跡が有るか、無いかを判断してみましょう。
◆単純な確認こそ丁寧さが必要
正解は画像①②ともに【回し跡有り】となります。
少し意地悪になってしまいましたが画像①②の状態では、判定が難しかったのではないでしょうか。私達がお伝えしたいのは、ボルトに近づいて初めて判定ができるもの(画像④)、近づいても微妙なもの(画像③)が実際は存在するということです。つまりボルトの回し跡を確認する際に大事なのは“適切な距離感”でチェックすることなのです。それでは皆様は普段どのような姿勢でボルトの状態を確認しているでしょうか。
常に画像⑥のように顔を近づけて確認ができていれば○です。しかし、画像⑤のようなポジションで確認していると姿勢は楽ですが、回し跡を見逃してしまう恐れがあります。もし外板部位の取付けボルトに回し跡が無いと判断した場合、その内側に位置する骨格部位への疑いはぐっと弱まってしまいます。ボルトの確認は単純ではありますが、気が抜けない重要な確認ポイントなのです。
◆査定手順を見直すきっかけを
どの業務においても同じ動作を繰り返し行うことで、作業がスムーズに進められるようになります。“慣れる”ということは効率化を進めるうえでとても大切なことです。
その反面、慣れ過ぎてしまうことで“動作が雑”になるケースもあります。
フロントフェンダーの取付けボルトに回し跡が有ることに気付かず、フロントインサイドパネルの異常も発見できなかった・・・実は査定経験が豊富な方に多い見落とし事例なのです。作業の効率化は【雑】とは違います。
ぜひこれを機会にご自身の査定スタイルを振り返ってみてはいかがでしょうか。
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